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青学大の鶴川正也が5000メートル日本記録更新と東京世界陸上出場に意欲

スポーツ報知 2024年7月7日 21時37分

 日本選手権の男子5000メートル(6月28日)で、屋外レースとしては日本人学生歴代最高の13分18秒51で学生トップの4位となった青学大の鶴川正也(4年)が7日、来年に日本記録(13分8秒40、2015年・大迫傑)の更新と、東京世界陸上の出場を目指すことを明かした。あと約10秒に迫った日本記録について「来年、更新したいし、更新できると思います」と意欲的に話した。さらに「来年は東京で世界陸上が行われるので、ぜひ、出場したいです」と言葉に力を込めて明かした。

 鶴川は初出場となった日本選手権5000メートルでは序盤から積極的に先頭集団でレースを進め、13分24秒90の自己ベスト記録を6秒39更新。今年1月に米国ボストンの室内競技会で駒大の佐藤圭汰(当時2年、現3年)がマークした13分9秒45には及ばなかったが、2007年7月に早大の竹沢健介がマークした屋外レースの日本人学生歴代最高の13分19秒00を17年ぶりに破った。「ペースが速かったので、1000メートルできつくなりましたけど、自分史上、最高に粘ることができました」と鶴川は会心のレースを振り返った。

 日本選手権で全力を出し切ったため、原晋監督(57)と話し合い、約1週間は別メニューで疲労回復を最優先させた。「疲れはありますけど、故障はしていません。軽く走っていました。来週からチーム練習に合流し、夏合宿ではしっかり走り込みます」と笑顔で話した。この日、東京・町田市立陸上競技場で行われた絆記録挑戦会ではカメラマンとして軽やかに走り回りながら、チームメートを撮影。「鶴川カメラマン」撮影の写真は今後、チームのSNSなどに掲載される予定。「カメラマンにもなりたいですね」と楽しそうに話した。

 鶴川は熊本・九州学院3年時に全国高校駅伝「花の1区」(10キロ)で区間賞を獲得するなど、世代トップレベルの選手として青学大に入学したが、これまで学生3大駅伝の出場は3年時の出雲駅伝6区8位だけ。青学大が大会新記録で2年ぶり7度目の優勝を飾った今年1月の第100回箱根駅伝でも16人の登録メンバーから外れた。同3区で日本人歴代最高タイムで区間賞を獲得し、優勝に貢献した太田蒼生(4年)ら同期に比べ、鶴川は「今まで僕は期待外れに終わっている」と自身の置かれている状況を正面から受け止めている。それだけに4年目にかける思いは強い。

 今季初戦の焼津みなとハーフマラソン(4月)では大会運営サイドのミスでコースが短くなるというアクシデントがあったが、1時間2分49秒の参考記録で優勝。さらに関東学生対校選手権(5月)では2部5000メートルで優勝。一昨年、昨年と2年連続で日本人トップの3位だったが、ついに留学生に競り勝った。日本選手権に勢いに乗って挑み、快走した。

 原監督は「日本人初の12分台を狙ってもらいたい。その力があります。来年の東京世界陸上、28年のロス五輪では日本代表として世界で戦ってほしい」と期待を込めて話す。

 「4年目に、やっと自分の走りを戻せた。今季は必ず箱根駅伝を走ってチームの優勝に貢献します。20キロ以上走れるスタミナを来年以降の5000メートルにつなげたい。12分台もイメージできます」と鶴川は落ち着いた表情で語る。大学3年目まで苦しんでいたスピードスターが、4年目に大躍進している。

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