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藤井聡太王位が千日手の指し直し局で大逆転の開幕発進 詰みを逃した渡辺九段は「見えなかった」

スポーツ報知 2024年7月7日 22時11分

 将棋の藤井聡太王位=竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖=が7日、愛知・名古屋市の「徳川園」で6日から指し継がれた第65期王位戦七番勝負第1局(2日制)で、同一局面が4回出る「千日手」が成立。午後4時14分からの指し直し局で、先手となった挑戦者・渡辺明九段を大逆転の末に136手で破り、「永世棋聖」に続く5連覇による「永世王位」へ開幕を飾った。

 前日の先手・藤井の封じ手は▲2九飛。戦いは起きず、静かで慎重な駒組が続いた。「こちらが動いていかなくてはいけない将棋。昼食休憩明けから消極的な手が続いた」と、藤井は千日手を解消せず指し直しを受け入れた。

 しかし、指し直し開始時は残りの持ち時間が渡辺より1時間20分も短い、1時間のみ。先手になって相掛かりにした渡辺に攻められ、竜を作られると、AI評価値は一時1対99と自玉に詰みがあった。

 絶体絶命だったが、渡辺は「本譜は勝ちになったと思ったが、詰みが分からなかった。詰みがあるなら、詰まさなきゃいけなかったが対局中は見えなかった」と1分将棋の中で手順を間違え、形勢は一気に藤井側に。七冠王は九死に一生を得た形となった。

 第2局は今月17、18日に北海道函館市の「湯元 啄木亭」で指される。「(本譜の)結果は幸いしましたけど、内容としては反省が多かったので、まずはしっかり振り返って、集中して臨みたい」と藤井。一方、勝ちをするりと逃した渡辺は「始まったばかりなので、気を取り直して向かいたい」とした。

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