◇J1第22節 鹿島2-0札幌(7月6日・県立カシマサッカースタジアム)
加入2戦目で初先発した大崎が、計算できる力があることを示してくれた。ボランチの位置で、次の次までのプレーがイメージできているから、これほどまでに変わるかと思ったほど、サイド攻撃などスムーズにいくようになった。
彼が入ったことを早い段階でプラスにしてほしい。ゲームコントロールできる彼から、周りはその高いレベルをどんどん吸収していくこと。僕も経験はあるが、どんな選手でも時間がたつと、そのチームのレベルになってしまっていくもの。今の大崎からいかに他の選手が学んでいけるか。そこは意識していってほしい。
シュートが入らなかったのは今の悪い流れを証明している感じだが、前半45分の武蔵のシュートなど素晴らしかったし、あれはゴール内で止めた植田をほめるしかない。今は勝ち点1でも欲しい状況だが、内容が悪くては今後につながらない。鹿島相手に堂々戦ったのだから、決して悲観するだけの結果ではない。
厳しい状況が続き、修正すべきことは山ほどあるが、まずは相手に対してもっと寄せるところを突き詰めること。1失点目も中村が相手FWの鈴木にあと30センチ寄せていれば、スルーパスを出させることはなかった。勝敗を分けるのはわずかな差。自分のところで止めるんだというプレーを全員が徹底していけば、保持してるボールも簡単に失ったりはしない。まだ残留の可能性は十分残っているのだから。1分1秒でも多く、チャレンジすることを忘れずにやっていけば、状況は好転させられる。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)