歌舞伎俳優の中村芝翫が８日、東京・ティアラこうとうで国立劇場７月歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜 河連法眼館の場」（１２日まで同所、１８～２７日に調布市グリーンホール）の取材会を行った。
狐（きつね）の姿を通じて、親子の情愛を描いた古典歌舞伎の名作。芝翫と長男の中村橋之助が佐藤忠信／源九郎狐をダブルキャストで演じる。５８歳にして初役に挑む芝翫は、２度目となる橋之助からアドバイスを受けることもあり「内心イラッとしながらも、頼もしくなってくれて、うれしい」と親心を明かした。橋之助は「父は僕にとって師匠ですし、芸の引き出しがすごい」と敬意を表した。
橋之助だけでなく、次男・中村福之助、三男・中村歌之助の「成駒屋３兄弟」が勢ぞろい。７年ぶりに一家４人が同時に登場する場面があり、芝翫は「一緒にチームで舞台に立てるのは、ありがたいこと」。橋之助は「面白く、分かりやすく古典をお伝えできる歌舞伎ビギナーに向けた公演。涼しい劇場内で熱いお芝居をお見せしたい」と抱負を語った。