パリ五輪のバレーボール男女、ビーチバレー女子日本代表の壮行会が８日、都内で開かれ、男子代表の主軸を担う高橋藍（らん、２２）＝サントリー大阪＝が、２６日開幕のスポーツの祭典で１９７２年ミュンヘン大会金メダル以来、５２年ぶりの「メダル獲得」を力強く宣言した。さらに、バレーボール界屈指の約２２５万人（８日時点）のフォロワーを誇るインスタグラムで「３００万人超え」の大台突破を目指す野望も明かし、約５００人が詰めかけた会場内を爆笑で包んだ。
藍がパリでの大活躍を誓った。ファンを含む約５００人が集まった五輪壮行会場でマイクを握ると、パッと空気が華やいだ。「インスタグラムのフォロワー２２５万人の高橋藍です。メンバーの中で一番フォロワーが多いので誇りに思っています」と自己紹介。会場をどっと沸かせると、一瞬にして真剣な表情に戻り「パリ五輪は懸けてきたので必ずメダルを獲得します」と力説し“緩急”で魅了した。
かねてバレーボールでの夢は「夢のあるスポーツにする」。そのためにも「高橋藍」の名をバレー界を超えて広げてきた。「フォロワー１００万人」を掲げて２０年１月に始めたインスタグラムはコート内外の活躍でフォロワーが増加中。注目度が高いパリ五輪での活躍が今後の競技の「盛り上がりにつながる」と考えており、この日壇上で「インスタのフォロワーも３００万人を超せるように頑張ります。そして、パリのディズニーランドに行けるように頑張ります」と笑顔で野望を語り、爆笑を誘った。
日本のアスリートでは、メジャーリーグ・大谷翔平（３０）＝ドジャース＝がインスタグラムで約８０１万人、テニス女子でパリ五輪代表内定の大坂なおみ（２６）が約２８１万人を誇る。藍も、今夏の夢舞台で日本のスポーツ界の“顔”の一人へと一層の飛躍を期す。
パリ五輪前最後の公式戦、ネーションズリーグで、日本は初の銀メダルをつかんで弾みをつけた。１次リーグ第３週の試合で左足首を負傷し、決勝大会の３試合は補欠で出場がなかった藍もこの日はファンの前を元気に歩き、順調な回復ぶりを見せた。９日から国内で練習し、１４日からの事前合宿（ポーランド）での完全復帰を目指している。日本男子は、五輪では開会式翌日に組まれた開幕試合（２７日午後４時）に登場し、ドイツと戦う。主将の石川祐希（２８）＝ペルージャ＝も「メダルを取るために行く。絶対に取って帰ってきたい」と意欲。５２年ぶりの快挙で、真夏の日本列島を空前のバレーブームで包み込む。（宮下 京香）
〇…壮行会に出席した女子日本代表の真鍋政義監督（６０）は「パリ五輪ではメダル獲得」を目標に定めた。自身が指揮した１２年ロンドン大会の銅以来の表彰台を目指す。６月に閉幕したＮＬでは先発の平均身長が約１０センチも高い強豪国と戦い、初の銀メダルを獲得。主将の古賀紗理那（２８）＝ＮＥＣ＝は「日本は身長が低いので質を高くする。攻撃で厳しいコースに打つとか、勇気を持って戦いたい」と誓った。