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【高校野球】昨夏ベスト32の桜修館 初回に失った5点が響き敗北…唯一の3年生・出石諒造主将「後輩たちが強くなっていくのなら」

スポーツ報知 2024年7月8日 21時37分

◆第106回全国高校野球選手権東東京大会 ▽1回戦 成城8―1桜修館(8日・神宮)

 昨夏ベスト32の東東京・桜修館は、初回に失った5点を返せず初戦で敗退した。

 出石諒造主将(3年)は「力不足というより、(成城の方が)上だった。(初回に5失点で)チームの形が崩れた。動揺があった」と振り返った。試合終了後には、膝から崩れ落ちて涙を流す場面も見られた。「最後まで泣き崩れずにやろうと思ったが、観客見て(涙が止まらなくなった)」。球場で最後まで声援を送ってくれた両親と同級生の姿が、主将として毅然(きぜん)とした姿勢を保ち続けた男の涙腺を壊した。

 野球部の3年は出石のみ。昨秋は人数が足りず連合チームとして大会に参加した。「(周りの意見を聞こうとするが)なかなかその意見がでない。どう思っているんだというのが全然伝わってこないのが大変だった」。しかし夏が近づくにつれてチームの意識も変化。「(最初は)特定の1、2人しか(意見が)出なかったのがちょっとずつ広がった。総合的に視野が広い意見が出始めるようになった」と成長を実感した。

 「(自分が)少しでもしょげていたらチーム全体に影響が出る。劣勢の場面でもキャプテンは諦めていないのをなるべく見せるようにした」。攻撃時はベンチの一番前でチームを鼓舞。守備から戻ってくる際も、全員が帰ってくるまで笑顔で待ち続けた。後輩からは大会前に「主将のために頑張る」という言葉をもらった。「ほんとに思っているのかな」と苦笑いを浮かべるも「1人でやるのは大変だったが、そう思ってくれているのはうれしかった」と照れ笑いを見せた。

 「(自分が)輝けるような野球生活はあまりなかったが、後輩たちが強くなっていくのなら。チームメートの大切さとか、オンオフの切り替えとか伝えたい」と後輩への言葉を最後に残した。出石主将のおもいを胸に、後輩たちが秋以降にリベンジをする。

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