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【記者の目】古賀紗理那の優しさ詰まった電撃引退表明 「最後の雄姿を目に焼き付けて」バレー界の未来も思う主将

スポーツ報知 2024年7月10日 5時5分

 バレーボール女子で日本代表主将の古賀紗理那(28)=NEC=が9日、パリ五輪(26日開幕)を最後に現役を引退することを発表した。自身のインスタグラムで決断を明かし、「パリオリンピックにバレーボール人生の全てを懸けて戦います」と決意をつづった。電撃発表を経て挑む2度目の五輪は、男子代表の西田有志(24)=大阪ブルテオン=とバレー界初の夫婦同時出場で“アベック”メダルを獲得して花道を飾る。五輪から帰国後の8月に引退会見を行う。

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 五輪開幕が迫った時期での表明には、古賀の優しさが詰まっていた。大会後ではなく事前発表したことで、自分に関わる全ての人に「最後の雄姿を目に焼き付けてほしい」、そんな気持ちが読み取れる。近い関係者も「大会前に言うことで五輪でのプレーを(見逃さず)見てくれると考えたのでしょう」と言う。夫の西田が「めちゃくちゃ優しい」とする人柄がにじみ出た直筆コメントだった。

 自他共に認める人見知り。高校時代に取材機会が増えると、3年間指導した堤政博さん(40)に「取材は嫌い」と話すこともあった。そんな古賀が22年、日本代表主将に就任し、女子バレー界の“顔”に。恩師が「あなたが(公の場で)話すと(女子バレー界は)盛り上がるのになあ」とつぶやくように口にした言葉は、古賀を変えたのだろう。NL福岡大会では敗戦後も取材終了時間まで真摯(しんし)に対応していた。

 五輪前に発表することで、女子バレーへの期待は一層、高まった。競技の未来も考える大黒柱の最後の姿を、現地からしっかり届けたい。(宮下 京香)

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