◆第106回全国高校野球選手権 東東京大会▽2回戦 攻玉社10Xー0品川翔英=6回コールド=(10日・大田スタジアム)
昨夏の2回戦と同カードとなった試合は、攻玉社が10―0で6回コールド勝ち。昨年、効率的な練習を模索し、人工知能「チャットGPT」を利用して創部後公式戦初勝利を挙げた品川翔英のAI野球再現はならなかった。
「相手が一枚上だったかな」。石田寛監督の表情からは悔しさがにじみ出た。相手先発は昨年と同じ、右腕・森田翔大(3年)。当時感じた森田の特徴を今年も「チャットGPT」に伝え、対策を練ってもらった。AIによって導き出された作戦は「球数投げさせて後半勝負」。これを受け、セーフティーバントやバントの構えを積極的に行い、じりじりと消耗させていく予定だった。
だが、実際に森田と対戦した部員たちの「思ったより打てるぞ」という声を聞き「自分たちの感覚を大事に」と序盤で作戦変更。早々にAIを諦め「初球から積極的に」打ちにいく方向に切り替えた。しかし、初回に「昨年ベンチ外でノーマークだった」という攻玉社主将・丸山和響外野手(わきょう、3年)に2ラン浴び、出はなをくじかれた。
石田監督は試合後、「追う展開になっちゃってエンドランやスクイズができなかった。うまくやられてしまった」と表情をゆがめた。投手陣も先発右腕・佐藤友則(2年)が3回途中6安打4四球5失点で降板するなど、5人の継投で6回までに計10安打10四死球10失点。精彩を欠き、昨年に続く初戦突破とはならなかった。