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【高校野球】石川大会が開幕…被災した飯田の南芽依マネジャーが始球式

スポーツ報知 2024年7月11日 14時1分

 全国高校野球選手権石川大会の開会式が11日、石川県立野球場で行われ、参加44チームが入場行進を行った。始球式には、飯田でマネジャーを務める南芽依さん(3年)が登板。ノーバウンドでの好投に、大きな拍手が送られた。同校の選手から背番号1のユニホームと帽子、スパイクを借りて大役を果たした。「めちゃめちゃ緊張しましたが、キャッチャーまで届いてホッとしています。もうちょっと、真ん中に行けば良かったかな」と笑顔を見せた。

 元旦に発生した能登半島地震では、輪島市の自宅に大きな被害は出なかったが、周囲は全壊した家も多く、余震もあったため、神奈川県の親戚を頼って二次避難。3月まではリモート授業を受けた。「マネジャーとしての仕事が出来ず、迷惑をかけました」と振り返る。3月には野球部の練習も再開し、4月からは自宅に戻った。小学5、6年生の時は学童の野球チームでプレーした経験もあり、今夏の大会前には周囲の勧めもあって、始球式に応募。抽選で出場が決まってからは、父を相手に投球練習を行ってきた。

 震災後はマネジャー1人が転校したが、選手は14人全員がそろって、今夏の大会に挑む。「この場で野球ができ、学校に通えるのは周囲の支援のおかげ。納得できる練習は出来なかったかもしれませんが、しっかりと力を出して欲しい。野球を楽しんで欲しいです」と南さん。感謝の気持ちを忘れず、選手をバックアップする。(中田 康博)

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