◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・中谷潤人―同級1位ビンセント・アストロラビオ▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)王座決定戦12回戦 同級2位・加納陸―同級3位アンソニー・オラスクアガ(7月20日、東京・両国国技館)
WBO世界フライ級王座決定戦に臨むWBO世界同級3位アンソニー・オラスクアガ(米国/帝拳)が11日、東京・新宿区の帝拳ジムで、同級2位・加納陸(大成)戦に向けた練習を公開した。
この日はシャドーボクシング、サンドバッグ打ちを各1ラウンドを軽めのメニューながら、力強い動きを披露した。ルディ・エルナンデス・トレーナーの下で15歳の時から中谷と切磋琢磨(せっさたくま)してきたオラスクアガ。2023年4月には、WBA&WBC世界ライトフライ級(48・9キロ以下)統一王者・寺地拳四朗(BMB)に挑戦したものの、9回TKO負け。それでも王者を圧倒する場面も見せるなど、一気に日本のファンも増えた。3日に来日してからは、幼なじみのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T)の自宅に泊まって調整しており、中谷の母・府見子さんが減量メニューを作ってくれているという。
オラスクアガに聞いた。
―今のコンディションは?
オラスクアガ「とても良い。素晴らしい環境で練習させていただいています。準備万端で、このようにチャンピオンになる機会というのを与えていただけることをうれしく思っています」
―日本の梅雨は?
「いつもとは違う天候だけど、汗をかけていいね」
―日本の試合は3試合目。
「日本大好きです。いつも愛を持って迎えていただけるので、こんな環境にいられることは、とても恵まれているなと」
―今回が2度目の世界タイトル挑戦。以前、中谷潤人選手が持っていたベルトだから、特別な思いもあるんじゃないですか。
「おっしゃる通り。自分の盟友である中谷選手が残したものを、また自分が手にするチャンスがあるというのは何よりもうれしいことですし、自分自身のチャンピオンとして名前を上げるということにも、とても意味のあることだと思う」
―改めて自身の特徴は?
「常に前向きに、そして全力で戦うファイターだと思っています。常に全力というのは、スマートに賢く動くということも含めてのことで、賢く全力でいくことが勝利を導く手段だと思っています」
―加納選手の印象は?
「インサイドのファイトが上手な選手。アッパーが得意で、そこからコンビネーションを打ってくる。前後にフットワークを使っていく選手という印象。ただ、ここまで一生懸命トレーニングしてきたし、今、自信を持ってここにいられるのも、そういう準備、努力があったから」
―この試合に勝った後のプランは?
「今は目の前にいる選手にだけ集中しています。この試合の結果次第で将来が見えてくる」
―中谷家に泊まっている。食事は自分で作るの?
「潤人のママ」
―好きな料理は?
「ママの料理は全部、大好き。最高のシェフです」
―何が一番?
「何でもおいしいから、一つだけは選べない。減量はうまくいっています」
―日本のファンにひと言。
「応援を続けてくれて、ありがとうございます。エキサイティングな、いい試合を見せたいですし、できることならKO勝利をお見せできたらいいなと思っています」
―岡辺トレーナーに聞きます。改めてオラスクアガ選手の強みと、加納選手にはどんな印象を?
岡辺大介トレーナー「トニー(オラスクアガの愛称)にはパワーとスピードがある。加納選手はインタビューなどで打ち合ってくれると言っているが、打ち合ってもらった方が有利かなと思う。サウスポーに対しての練習もずっと積んできた」
―岡辺さんにゆかりの深い2選手が試合に出る20日はどんな1日になる?
「潤人が15歳でLAに来た時にはルディさんの家に泊まって、今は逆にトニーが中谷家に泊まって。ちょっと不思議な感じがする。2人ともチャンピオンになったら最高だなと思う」
戦績は26歳の加納が17勝(8KO)3敗1分け、25歳のオラスクアガが6勝(4KO)1敗、26歳の中谷が27戦全勝(20KO)、27歳のアストロラビオ(フィリピン)が19勝(14KO)4敗。
試合はPrime Videoで生中継される。