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【高校野球】菅が3年ぶり初戦突破 3球団視察の最速143キロ右腕・岩瀬将が9回4安打1失点で完投

スポーツ報知 2024年7月11日 21時5分

◆第106回全国高校野球選手権神奈川大会 ▽2回戦 菅4―1逗子開成(11日・横須賀スタジアム)

 新たな公立の星が誕生だ。菅の最速143キロ右腕・岩瀬将(3年)が9回4安打1失点で逗子開成打線を抑え込み、チームを3年ぶりの初戦突破に導いた。

 「最初は緊張で乱れましたが、自分の球が通用するとわかり自信になった」と投球を振り返った岩瀬。138キロをマークした直球と緩い変化球を織り交ぜ、7つの三振を奪った。

 2回裏、それまで小雨だった雨脚が強まり約1時間の試合中断。それでも岩瀬は「動揺はしましたが、中断中もブルペンで投げて調子を戻せた」とお構いなしの様子だった。

 この日、球場には広島、DeNA、ロッテ3球団のスカウトが視察に訪れた。DeNA・永池スカウトは「春よりも変化球の制球が良くなった」と評価した。

 岩瀬はアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。幼少期について母・美智子さんは「自由人。庭やベランダでよく昼寝していた」と微笑む。5歳頃から日本に移り住み、地元・金程小の少年野球チームでプレー。金程中軟式野球部を経て、公立校の菅に進学を決めた理由は、「私学ではベンチで終わる気がした。(二つ上の)兄が菅高校で、憧れの存在だった」と語った。

 そんな岩瀬がプロを目指すきっかけとなったのが、昨秋の強豪私学との練習試合。14個の三振を奪い、相手監督に「こんなに三振を取られたのは十何年ぶりだ」と褒められた。「いばらの道というか、上でやるぞという気持ちが見えた」と岩瀬。目指す場所への最大のアピールの場となるこの夏は一戦一戦が勝負だ。「3年間鍛え上げてきたものを出し惜しみなく発揮し、強豪にどれだけ通用するか見てもらいたい」と気合十分に意気込んだ。

 次は14日、第1シード校・向上との一戦。「完全にチャレンジャーなので。物怖じせず、自分の球がどこまで通用するか」。公立の星・岩瀬将の奪三振ショーが見られるか。注目の一戦だ。(松永 瑞生)

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