◆米大リーグ レッドソックス7―0アスレチックス(11日、米マサチューセッツ州ボストン=フェンウェイパーク)
レッドソックスの吉田正尚外野手は、6番・DHで先発。初回に先制の右前2点適時打を放ち、6回に右中間に4号2ランを放つなど、4打数3安打で今季3度目の猛打賞を達成し、今季最多の4打点。打率は2割6分5厘となった。チームは7-0で今季10度目の完封勝ちだ。
折れたバットで先制点を叩き出し、左投手から右中間へ2ラン4号。吉田が、その魅力を随所に発揮してレ軍が快勝した。
まずは、初回。2死満塁から内角への直球を強振。鈍い音と共にバットが折れたが、打球速度78マイル(126キロ)の緩い当たりが、一塁手の左を抜け、打者2人が生還。先制2点適時打でチームを勢いづけた。「なんとか振り切ったので、(内野を)抜けたかなと思います。飛んだコースが良かったです。初回に先制出来ると流れもいい」と胸を張った。
そして、圧巻は5-0で迎えた6回。ピッチクロック違反でボールカウントを1つ有利にした後、カウント3-1からやや内角に来た直球を捉えた。滞空時間の長い当たりは右中間の自軍ブルペンに着弾。7月5日以来6日ぶりの4号2ラン。左腕からのアーチは、4月14日のスアレス(エンゼルス)以来、今季2本目となった。
「少し詰まりましたけど、しっかりスピンが掛かった。きょうは風も味方してくれました。どちらかというと上から角度をつけるピッチャー(左腕)だったので、肩口というよりも、平行に胸を開かずにと思っていた」と、意識付けは明確だった。
最後は、読みが決め手となった8回の右前打。初球のスライダーを空振りし、同じ球で来ると見込んだ通りの2球目、内角高めのスライダーに対応して、猛打賞を達成した。
第2打席に右直に倒れた打球速度108マイルの強烈な当たりを含めて、高度な技術と駆け引きに優れた見応えある4打席を披露した。一塁走者となった初回に、続くアブレイユの3球目で二塁へスタート(結果的にアブレイユの右越二塁打で三進)を切るなど、走塁でも攻め、打席を重ねる毎にファンの声援が大きくなった。
今季初の4打点の荒稼ぎで「打ちに行って見逃すという作業が出来てくれば、自然と、甘い球を1球で仕留めることができるようになってくると思います」と手応えを口にした。
12日からは、本拠地で前半戦最終カードとなるロイヤルズ3連戦。ワイルド・カード争いはレ軍が勝率で上回るが、共に51勝同士のしのぎ合いの戦いだ。相手先発は左腕ラガンズ。左投手から一発を放った吉田の存在が頼もしい。