陸上男子1万メートルでパリ五輪代表の太田智樹(トヨタ自動車)が12日、スイス・サンモリッツでの合宿のため、羽田空港から出国した。初五輪へ「なかなかこういう機会はないし、周りはすごい方ばかり。チャレンジできるチャンスがあるということにワクワクしています」と胸を躍らせた。目標は「特にない」というが「できるだけ食らいついていきたい」と攻めの姿勢で花の都に乗り込む。サンモリッツから、7月下旬に事前合宿地であるフランスのセルジーに入る予定。
太田は現在、期間限定で田沢廉、鈴木芽吹(ともにトヨタ自動車)、駒大の篠原倖太朗(4年)、佐藤圭汰(3年)が指導を受ける大八木弘明総監督の「Ggoat」で鍛練を積む。この日は大八木総監督、田沢、鈴木も共に出国。大八木総監督は「太田はスタミナの強さがあるよね。どこまでやれるか、思い切ってチャレンジしてみればいいのかなと思います。できれば入賞近くまでいってくれれば」と期待を込めた。
5月の日本選手権・1万メートル(静岡)をコンディション不良のため欠場した田沢は「けがの状態は良くなっている。スイスで自分の力を戻したいというか、ちゃんと走れていたときの状態に戻したい。やらないとなっていう気持ちです」と話した。練習を共にする先輩の太田の五輪出場にも刺激を受けており「東京(五輪)から次の五輪に出たい、出たい、と言っていたのに出られなかった。悔しい思いがあるけど、その分ちゃんと応援したい気持ちがあります」とうなずいた。自身のペースで、確実にコンディションを整えていく。