◆第106回全国高校野球選手権千葉大会 ▽2回戦 我孫子二階堂4―5×千葉敬愛(12日・第一カッター球場)
膝に手をつき、顔を上げられなかった。我孫子二階堂の最速148キロ右腕・神谷虎之介(2年)が初回無死一塁から左翼席へ高校通算38本目となる先制2ランを放つなど、4打数2安打2打点と打線を引っ張った。3回途中からリリーフしたが、2点リードの9回に3安打2死球3失点で逆転サヨナラ負け。「雨で滑るのを修正できなかった」と悔しがった。
神谷にとって最後の夏だった。1年秋に強豪私立を退学、翌春に我孫子二階堂へ新1年生として入学したため、現在2年生ながら来年の夏は出場できない。「自分を受け入れてくれた監督さんや部長さんに恩返しを」と意気込んだ大会だったが、一歩及ばなかった。
同校入学のきっかけは、幼なじみの鎌田粋匠内野手(3年)からの誘い。9回に鎌田が代打で出場した場面で神谷は「とにかくフルスイングでいけ」と力強く送り出した。三振に終わったが共演に悔いはなかった。
「プロになりたいので、野球を続ける」。来年は野球部のサポートをしながら、クラブチームで夢に向かって努力する。(松永 瑞生)