プロレスリング・ノアは13日、年間最大のビッグマッチを日本武道館で開催する。
メインイベントは、GHCヘビー級王者・清宮海斗と稲村愛輝改め「YOICHI」のタイトルマッチ。武道館大会前日となる12日に初のGHCヘビー王座に挑戦するYOICHIがスポーツ報知のインタビューに応じ自らが描くプロレスリング・ノアの「夜明け」を激白した。
2018年9月のデビューから6年。昨年9月からの海外武者修業を経たGHCヘビー初挑戦。対戦相手は清宮海斗。団体生え抜き選手同士による日本武道館での「GHCヘビー級」戦は旗揚げ24年目で初となる。
「生え抜きのノア同士の武道館でのGHC。体の熱が上がるし興奮する。ファンも望んでいたと思う。新時代を見せる」
清宮とはデビュー間もないころ道場で寮で団体の未来を熱く語り合った。
「あのころ、2人で『GHCを戦おう』と語り合った。各々が力をつけていって最後はひとつ、そこだ、と。2人で試合をすることで未来が切り開かれると確信していた。当時、そこまで具体的なことは話さなかったけど、お互いの思いは同じだったと思う」
プロレスリング・ノアでのタイトルマッチは、2022年11月23日、代々木第二体育館大会で当時の「ナショナル王者」イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.に挑戦した。
「あの時、ワグナーに挑んだ必死さを覚えている。当然、今も必死。だけど、ナショナル挑戦の時の必死さは今、振り返ると空回りをしていた。だけど、今回の相手はさらに深く知った相手。お互いをつぶし合うんじゃなくて良さを出し合った上でどっちが上かって戦いの中で見せたい。そうすれば武道館全体に輝きは伝わるはず」
およそ10か月の海外武者修行は、英国、ドイツ、フランス、米国、イタリア、ハンガリーの6か国でリングに上がった。英国の団体「プログレス」でアトラス王者となった。
「基本的に毎週試合でトータルで50試合やった。もっともっと試合をしたかったけど、いろんな国で試合をしてよかった」
学んだことを打ち明けた。
「どの選手も我慢せずに自分の持てるものを爆発させていた。レスリングスクールに行った時にデビューしていない16歳の若い人もいろんなアイデアを持って、それをいかんなく練習から発揮していた。それを見た時にもっと自分を解放して我慢せずに自分を出していこうと思った」
リングネームは「稲村愛輝」から「YOICHI」へ変えた。「平家物語」で語り継がれる源頼朝に仕えた弓の達人「那須与一」が由来だ。
「これは自分のアイデア。出身が栃木県大田原で那須与一も同じ。幼いころから地元の祭りで那須与一の名前を目にしてきた。海外へ行って学んだことは、選手は自分のルーツを大事にしていたこと。それは大事だと思い、自分のルーツを振り返ったときに那須与一が浮かんできた」
海外で得た自信と学び。様々な経験を糧にしたGHC挑戦。がい旋帰国直後からプロレスリング・ノアの「夜明け」を掲げている。
「俺の中で今のノアは暗闇。清宮海斗が上にいる以上はこれ以上明るくならない。彼は確かに輝きのある才能のある素晴らしい選手。だけど、そこに新しい光を差し込めるのは俺しかいない。今の明るさよりさらに明るくするために夜明けと表現した」
王者の印象を表現し、自らが描くノアの未来を掲げた。
「彼は、自分のことに必死になって自己中心。過去の試合でも俺は彼のわがままに振り回されてきた。俺はそうじゃない。自分がトップに立ち全体を自分の空気に巻き込んで共に上がっていく未来を見せる」
(福留 崇広)
◆YOICHI(ヨイチ)1992年11月18日、栃木県大田原市生まれ。31歳。柔道、相撲で鍛え2017年9月にNOAHへ入門。ヘビー級の新人として期待され、18年8・5後楽園のバトルロイヤルで本名の「稲村愛輝」でプレデビュー戦を経験した後、同年9月2日の熊野準戦で正式にデビュー。19年に「稲村愛輝猛進七番勝負」で杉浦貴、潮崎豪、拳王、清宮海斗、齋藤彰俊、マイバッハ谷口とシングルで対戦。デビュー2年にしてシングルリーグ戦(N―1 VICTORY)へ初エントリーするなど新人らしからぬ活躍ぶりを見せた。23年9月3日「稲村愛輝」は今日で忘れてくださいと言い残し、無期限海外遠征へ出発。今年6月16日横浜BUNTAI大会でGHCヘビーの防衛戦で勝利した清宮の前にYOICHIとして9か月ぶりに姿を現し「お前ぶっ倒して新しいNOAHの夜明けの始まりだ!」と王者奪取をアピールした。身長・182センチ、体重・105キロ。得意技は無双、タックル、GEKITOTZ
◆7・13日本武道館全対戦カード
▼ダブルメインイベント2・GHCヘビー級選手権試合
王者・清宮海斗 VS 挑戦者・YOICHI
▼ダブルメインイベント1・スペシャルシングルマッチ
丸藤正道 VS AJスタイルズ
▼第9試合・LUCHA LIBREスペシャルタッグマッチ
イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.、ガレノ・デル・マル VS ドラゴン・ベイン、アルファ・ウルフ
▼GHCジュニアヘビー級選手権試合
王者・ダガ VS 挑戦者・AMAKUSA
▼GHCナショナル選手権試合
王者・HAYATA VS 挑戦者・佐々木憂流迦
▼世界ヘビー級選手権
王者・齋藤彰俊 VS 挑戦者・潮崎豪
▼第5試合 GLG FINAL・6人タッグマッチ
ジェイク・リー、YO―HEY、タダスケ VS ジャック・モリス、アンソニー・グリーン、LJ・クリアリー
▼第4試合・シングルマッチ
拳王 VS 永田裕志
▼第3試合・6人タッグマッチ
近藤修司、Eita、AKIRA VS 小川良成、大岩陵平、大和田侑
▼第2試合・6人タッグマッチ
杉浦貴、藤田和之、谷口周平 VS マサ北宮、征矢学、稲葉大樹
▼第1試合・3WAYタッグマッチ
ニンジャ・マック、宮脇純太 VS アレハンドロ、クリストバル VS 大原はじめ、スペル・クレイジー