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【高校野球】世代No1ショート花咲徳栄・石塚裕惺に日米6球団スカウト感嘆「初戦初打席で本塁打はすごい」

スポーツ報知 2024年7月14日 6時10分

◆第106回全国高校野球選手権埼玉大会 ▽2回戦 花咲徳栄14―1越谷東=5回コールド=(13日・大宮公園)

 埼玉では、2017年夏の甲子園Vの強豪・花咲徳栄が越谷東に5回コールドで大勝発進。世代ナンバーワンショートと呼び声の高い、今秋ドラフト上位候補の石塚裕惺(ゆうせい)内野手(3年)が高校通算26号の先制ソロなど2安打3打点。日米6球団のスカウトをうならせた。

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 実力にスター性も兼ね備えていることを、石塚はバットで証明した。2回先頭で迎えた今夏の初打席。カウント2―1から4球目を捉えた打球は99メートルの左翼フェンスを軽々と越えて、無人の芝生席で弾んだ。今夏1号、高校通算26号の先制ソロ。初戦で硬さの目立った仲間たちを解き放つと、5回には左翼へ2点打。2安打3打点でコールド発進の立役者となった。

 「初回の攻撃が3者凡退で終わって、相手の選手がすごい勢いでベンチに帰って行くのを見て、このままズルズルいくのは危ないと感じていました。何とか流れを変える一打を打ちたかった。いい仕事ができたと思います」

 試合後、声を弾ませた右投げ右打ちの遊撃手は、U18日本代表候補で今秋ドラフト候補の逸材。打席での集中力を高めるために、大会前には暗くした室内でともしたろうそくの火をバットを振って消す特訓で汗を流した。開会式前日の10日には仲間とバリカンを手に取り合い、刈って刈られて頭髪を五厘に仕上げて結束を強め、気合を入れた。

 岩井監督から「4番は打点」と言われているだけに、右飛に倒れた4回2死満塁の3打席目を振り返り「打ちたかったです…」と悔やんだが、ネット裏から見守った大リーグのカージナルスやロッテ、阪神、西武など日米6球団のスカウト陣は満足そうにうなずいた。ロッテの高橋薫球団本部編成管理部部長は「注目されている初戦の初打席で本塁打を打てるのはすごい。地元の選手ですし、マークしていきます」と八千代市出身でロッテジュニアOBの強打者を評価した。

 「お客さんもたくさん入っていましたし、夏は独特の雰囲気があります。一戦必勝でやっていきます」。5年ぶり8度目の夏の甲子園に向けて、花咲徳栄も、その4番を張るスラッガーも順調に滑り出した。(阿見 俊輔)

 ◆石塚 裕惺(いしづか・ゆうせい)

 ☆生まれ 2006年4月6日、千葉県八千代市生まれ。

 ☆サイズ 181センチ、82キロ。

 ☆球歴 幼稚園年長時、勝田ハニーズで野球を始める。村上東小6年でロッテジュニアに入り、村上東中時代は佐倉リトルシニアで主に遊撃手。花咲徳栄では1年秋から背番5でベンチ入りし、2年春から背番6。2年秋、3年春はともに県優勝、関東8強。

 ☆誠也ラブ 好きな選手はカブスの鈴木誠也。「同じ右打者で打率も残せて本塁打も打てる。広角に打てて勝負強いですし」とベタぼれしている。

 ☆研究熱心 テレビ番組などはあまり見ずに、趣味は野球関連の動画チェック。「プロ野球の試合のハイライトなどで学んでいます」。好きなチームは「千葉県出身でジュニアにもいたので」とロッテ。

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