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北口榛花がサザエさんヘアでビッグスロー!最終投逆転Vでございまぁす!

スポーツ報知 2024年7月14日 5時0分

◆陸上 ダイヤモンドリーグ 第9戦(12日、モナコ)

 陸上女子やり投げで昨年の世界選手権女王の北口榛花(26)=JAL=が、今季自己ベストの65メートル21で優勝し、パリ五輪に弾みをつけた。2位で迎えた最終6投目に逆転し、21年東京五輪銀メダル相当の今季世界3位の好記録をマーク。ダイヤモンドリーグ(DL)では4月の第2戦に続く今季2勝目、通算8勝目を挙げた。出場した試合では今季7戦のうち3戦で最終投逆転V。約1か月後の本番へ勢いをつけ、最後の実戦となるDLロンドン大会(20日)を経てパリへ乗り込む。

 大きく振り切った最終6投目、北口の叫び声が会場に響いた。背後では巨大なモナコ国旗がはためき「風も後ろから吹いていそうだったので、思い切って投げられた」と美しい弧を描いたやりは、今季初めて65メートルラインを越えた。今シーズン自己ベストと同世界3位の65メートル21。DLでは4月の第2戦に続く今季2勝目、通算8勝目で、思わず北口スマイルが飛び出た。

 危機感を払拭(ふっしょく)するような一投だった。6月28日の日本選手権。優勝したが62メートル87にとどまり「各国の選手が調子を上げている中、自分が上げられていないのが一番の危機感」と話した。今季は体に硬さを感じ「しっくりきたのが一本もない」という。ただ、自分の強みを見つめ直すきっかけにもなった。「私はスピードやパワーに頼った投げではない。大きさ、柔らかさをどうやって出すか、一から見つめ直した」と本来の伸びやかな動きに焦点を当てた。

 今大会は1投目に今季自己最高の64メートル63を投げ「いい入りができた」と手応え。集中を高めて挑んだ最後に、納得の一本を出した。2020年から北口に姿勢や動き方を指導する元筑波大准教授の足立和隆氏(67)は「日本選手権の時は粗雑な投げ方でしたが、今回は助走に余裕があり、投げる時も腰を回すことができるようになっていた」と話す。今後は助走の流れを重点的に練習するよう助言していると明かし、「だんだん良くなっています。期待をかけすぎると駄目になってしまう選手もいますが、彼女は大丈夫だと思います」とうなずいた。

 最後の追い込みに入る。今後は拠点のチェコで調整し、パリ五輪前哨戦のDLロンドン大会(20日)に向かう。「メダルが取りたいというのと、金であればより良いというのは、私も皆さんも分かっていると思います」。目標を定める大舞台へ「ロンドンでもう一回いい感覚で投げて、五輪に臨みたい」と思い描いた。

 ◆パリ五輪の女子やり投げ 32人が出場。2組に分かれ全3投の予選を行い、基準記録を突破するか、12位以内の記録を出した選手が決勝に進む。決勝は6回の試技を行うが、第3投までの成績で上位8人に絞られ、最高記録で順位を決める。

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