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「まだ底が知れない」7球団14人のスカウトが熱視線 前橋商の192センチ右腕が7回完封で好発進

スポーツ報知 2024年7月13日 21時34分

◆第106回全国高校野球選手権群馬大会 ▽2回戦 前橋商7―0市太田=7回コールド=(13日・高崎城南)

 春夏通算9度の甲子園出場歴を誇る県立伝統校・前橋商が7回コールドで初戦突破した。最速148キロを誇る今秋ドラフト候補で、192センチの長身右腕・清水大暉(3年)が夏の初戦に先発。7回を6安打無失点で完封し、チームを快勝発進に導いた。

 2度、首を振った。清水はミットを見つめると、最後の力を振り絞った。渾身のストレートに、打球は力なく左翼に浮いた。ゲームセット。7―0での7回コールドだ。夏の初戦特有の緊張感から解放され、エースは笑顔で汗をぬぐった。

 「走者を出してから粘れたのが勝因だったと思います。一戦必勝がチームのテーマでもあるので、とりあえず1個勝てたのが良かったです」

 長身から繰り出す、角度のあるストレートが魅力だ。スカウトのスピードガンでこの日の最速は143キロ。武器を最大限に生かすためカーブを操り、緩急で幻惑した。「真っすぐはそこそこ自信があるので、真っすぐを生かすために緩急でタテの変化を大きく使えれば、真っすぐ主体でも組み立てられると思ったので」。まずはしっかりと、スコアボードに7つのゼロを刻んだ。

 ネット裏では7球団14人のスカウトが視察。DeNAの萩原龍大チーム統括本部長は「まだ底が知れない。まだまだ伸びていく投手」と期待し、西武の渡辺智男アマチーフ補佐も「球質はいいものを持っている。伸びしろがある」と評価した。

 父・政良さん(43)は中学、高校と水泳に熱中し、桐生高では関東大会に出場したスポーツパーソン。「北島康介さんとは大会で何回か、同じプールで泳いだことがあるんですよ」と笑う。父譲りの力強さとしなやかさをベースに鍛錬を重ね、ドラフト候補へと成長するまでになった。

 同時刻にセンバツ優勝校の健大高崎が大勝発進したことを伝え聞き、清水は力を込めた。「もちろん強いってことは分かっている。でも自分も、抑えられないということはないと思う。最大限、自分のピッチングをして、決勝で当たれれば。甲子園で勝つというのが目標なので」。2年連続となる夏の聖地へ-。白球に魂を込め、灼熱の上州を投げ抜く。(加藤 弘士)

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