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【高校野球】石川・飯田は前監督が指導する金沢西を撃破「野球の神様はいるんだなと」

スポーツ報知 2024年7月13日 21時49分

◆第106回全国高校野球選手権石川大会 ▽1回戦 飯田12-3金沢西=7回コールド=(13日・石川県立)

 1回戦8試合が行われ、飯田は12-3の7回コールドで金沢西に快勝し、初戦突破を決めた。5回には3番・山田恵大主将(3年)のランニングホームランも飛び出すなど、5安打、2四球などで一挙に6得点を挙げた。3月まで飯田の指揮を執っていた笛木勝前監督は、4月から金沢西に転任して野球部の顧問に着任。最後の夏の大舞台で、選手たちは“恩返し”の勝利を挙げた。山田主将は「(抽選のクジを引いた時)野球の神様はいるんだなと。自分たちの成長を見せたいと思いました」と笑顔で振り返った。

 元日の能登半島地震では笛木前監督の自宅が半壊。しかし、最後まで熱心に野球部の指導を続けたという。山田主将は「笛木先生自身が苦しい思いを抱えていたのに、自分たちのために時間を作ってくれた。嬉しかったです」と感謝する。笛木前監督からは、勝ち負け関係なく野球を楽しむことや、人間性の大切さを学んだ。3月末には仙台育英(宮城)と練習試合を行い、「結果的には負けましたが、最後に一層、絆は深まりました」と振り返った。

 試合をネット裏から観戦した笛木顧問は「対戦が決まった時はまさかと思ったが、心境は複雑ですよね。でも、飯田は元気ですごく楽しそうでした。自分たちで考えているプレーが垣間見えました」と祝福すれば、山田主将は「笛木先生の転任は受け入れがたいことだったけど、感謝の気持ちを伝えたいです」と言葉を重ねた。恩師から学んだことを胸に刻みながら、熱い夏を突き進む。(中田 康博)

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