Infoseek 楽天

母が鍵盤ハーモニカで奏でる「紅」…開成主将「想像以上に聴こえた」けど敗戦 東大入学&野球部入部で「リベンジ」

スポーツ報知 2024年7月15日 6時0分

◆第106回全国高校野球選手権東東京大会 ▽2回戦 開成0―7駿台学園=7回コールド=(14日・JPアセットスタジアム江戸川)

 母の奏でる音色は大きな力になったが及ばなかった。全国屈指の東大合格者数を誇る進学校・開成の田村将也主将(3年)は悔しさを押し殺した。駿台学園相手に0―7で7回コールド負け。初戦で敗退した。

 スタンドでは母・麗子さん(47)がけん盤ハーモニカで「紅」や「夏祭り」などの高校野球の定番応援歌を演奏し、チームを鼓舞し続けてくれた。「4番・捕手」で1安打も6回の得点圏では右飛だった主将は、母の応援に「格上相手なんでやるしかないと思っていました。想像以上に聴こえてくれて力になりました」と感謝した。

 開成では3年夏は受験勉強に専念する生徒が多いため、他校のようなブラスバンド応援は難しい。そんな事情に主将の母は演奏を決めた。元ピアニストで現在は非常勤講師として小学校で音楽の先生。「少しでも後押ししてあげたいなと思って。ちょっとでも心細くなった時に、『ちゃんと見てくれている人がいるんだよ』と伝えたかった」と説明。ベンチ入りメンバー全員分の名前ボードも作成し、掲げた。

 田村は「野球は続けたい。今日のリベンジができるとしたらここかな」と今後、東大への進学と野球部入部を目指し受験勉強に励む。「一生懸命やりきったことを誇りに思ってやってほしい」と麗子さんは優しくほほえんだ。(大中 彩未)

この記事の関連ニュース