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五輪52年ぶり金へ「3年間人生を懸けてきた」男子バレー高橋藍、パリ間に合った…20日にも実戦復帰

スポーツ報知 2024年7月15日 5時0分

 パリ五輪のバレーボール男子日本代表が14日、事前合宿地のポーランドに向けて羽田空港から出発した。日本の攻守の要・高橋藍(らん、22)=サントリー大阪=は出国前の空港で取材に応じ、6月に負傷した左足首は回復傾向で、五輪には間に合う見通しを明かした。ポーランドでは、20日に世界ランク1位の同国と練習試合を行うことも決まり「出場できる」と、早ければ同試合から実戦復帰する可能性も示唆した。出発前の空港では、サッカー男女代表と共にセレモニーに出席した。

 引き締まった表情で事前合宿地のポーランドへと飛び立った。藍は「いよいよ始まる。東京五輪を終えてからパリのために3年間人生を懸けてやってきた。思いが違う。一番いい色のメダルを持ち帰りたい」と日本の52年ぶりの五輪金メダルへ闘志を込めた。6月のネーションズリーグ(NL)で負傷した左足首は「少し違和感はある」というが、13日までの東京合宿でも動いており、順調に回復中だ。

 ポーランドでは20日に同国、21日にセルビアとの練習試合が決まった。藍は患部に触れ「試合に出る、出ないは(フィリップ・ブラン)監督の采配にもよるが、自分の感覚的には、出場はする」と前向きに話した。攻守で要となる藍の戦列復帰は日本の五輪金メダルへ不可欠。機内には超音波によるコンディショニング器具を持ち込み、移動時もケアを欠かさない。NLは途中合流し、決勝大会に出られなかった分、「セッター・関田(誠大)選手とのコンビネーションなど細かい部分は調整する」と見据えた。

 “五輪メダル前哨戦”で世界一の壁に挑む。初の銀メダルを獲得したNLの1次リーグ(L)ではポーランドに0―3で敗戦。日本は石川祐希主将(28)=ペルージャ=や藍ら主力を温存していた。決勝大会では対戦がなく、石川は「一番力がある、と言われるポーランドと対戦できるのは大きい。経験したかった。今の僕たちのベストを試すことが大事」と最終調整の一戦の意義を語った。

 23日にパリ入り後、27日午前9時に開幕試合で同11位・ドイツに挑む。「リズムを作ることが一番」と、藍が意識するように1次L突破には負けられない初戦だ。米国の放映時間などの都合で国際大会では珍しい早朝の試合で「高校、大学生以来」と石川は話し、13日には「朝6時に散歩したり、起きる時間を早くした」。朝食も試合から逆算した時間に取るなど、ベストの状態の作り方を欧州でも模索していくという。

 出国前の空港ではサッカー男女日本代表と共に出発式に出席。約60人の報道陣を引き連れ、活況を迎えた日本球技の“顔”としての存在感も見せた。「パリが終わるまで成長し続ける」と石川が言えば、「勝ちにこだわってやっていく」と藍。花の都へ歴史の扉をこじ開けにいく。

(宮下 京香)

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