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【高校野球】北照の生徒会長4番・茶村望海が5年ぶり4強弾…メンバー唯一の地元小樽出身 公式戦初アーチ

スポーツ報知 2024年7月15日 6時41分

◆第106回全国高校野球選手権南北海道大会 ▽準々決勝 北照3―0函館大柏稜(14日・札幌円山)

 南北海道は準々決勝3試合が行われ、4強が出そろった。北照は3―0で函館大柏稜を退け、優勝した19年以来の準決勝進出。メンバー唯一の地元小樽出身で、生徒会長を務める4番・茶村望海(のぞみ)一塁手(3年)が6回に公式戦初アーチを放った。

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 極上の手応えに、北照・茶村は思わず声をあげた。「行った…」。2―0の6回1死。高めの直球を豪快に引っ張り、無人の右翼芝生席に運んだ。5年ぶりの4強進出を決定づける一撃は待望の公式戦1号。16日に45歳の誕生日を迎える上林弘樹監督を“前祝い”し「知っていたので、ホームランで一足先にプレゼントです」と笑顔で胸を張った。

 「4番」ながら意外にも高校通算4発目。主軸に据える理由を、指揮官は「一番、信頼されているから」と語る。チーム一の頑張り屋で、メンバー決めは選手間投票で行うが、茶村だけは中間投票から得票数がダントツ。主将の手代森琉輝には「ムードメーカーでありながら一番練習する。インパクトを残せる男」と絶賛され、学校では生徒会長まで任されている。

 道外の選手が多い中、メンバーで唯一の小樽出身。「地元から甲子園に行きたい。甲子園に出るなら北照しかない」。幼少期から夢はブレなかった。今冬は「チームのためになれるなら」と朝、夜に米を1キロずつ平らげて体重を10キロ増。不断の努力が最後の夏に鮮やかなアーチとして形になり、上林監督も「点が取れない中であの一発が本当に大きかった」と敬礼した。

 投げてはプロ注目左腕・高橋幸佑(3年)が公式戦初完封。準決勝からは戦いの地をエスコンFへと移す。同球場へは昨年からスタジアムツアーやプロ野球観戦に訪れ、プレーする姿をイメージしてきただけに、チームにとっても待望の舞台。5年ぶりの頂点まであと2勝。投打充実の北照が一気に駆け上がる。(堀内 啓太)

 ★函館大柏稜・加藤桔平主将(3年=プロ注目のU18日本代表候補・高橋幸佑から2安打)「1打席目の内野ゴロは右手の押しが足りなかったけど2打席目から修正できた。2安打は誇りに思う」

 〇…札幌日大は札幌大谷に11-1(5回コールド)で完勝し、4強の中で唯一2年連続のエスコン行きを決めた。相手のミスにつけこんで11点を奪うと、先発のプロ注目左腕・小熊梓龍(しりゅう、3年)が5回4K1失点と好投。札幌大谷・菊地大一(3年)との好投手対決を制し「勝利のためにやれることをやれた」。準決勝以降の舞台は学校と同じ北広島にあるエスコンだが「あくまで通過点。目指してるのは甲子園なので」と頼もしかった。

 ★札幌大谷・菊地大一投手(3年=兄の思いも背負って、投げたが)「2人の兄も知内で甲子園に行けず、何とか連れていきたかった。力不足。次はプロになる目標を達成したい」

 〇…札幌光星は函館有斗に4-1。初戦でV候補の北海を倒した勢いに乗って函館大有斗も撃破し、18年ぶりの4強進出。エース粕谷脩真(3年)を2年生コンビが強力援護した。1回2死満塁で6番・有賀拓郎遊撃手が先制の2点適時打、8番・福本悠斗捕手も適時打で続き、ともに「粕谷さんを楽にさせたかった」と笑顔。毎回の11三振を奪い、地区から5試合連続完投となった粕谷は「初回に3点取ってくれたのがありがたかった」と感謝した。

 ★函館大有斗・能戸優雅主将(3年=唯一の得点となる中犠飛を放ち主将の意地を見せ)「全力を尽くして負けた。やり切れた」

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