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U―23日本代表はフランスに圧倒されるも引き分け 元日本代表MF北澤豪氏「負けなかったことは収穫」

スポーツ報知 2024年7月18日 7時46分

◆国際親善試合 U―23フランス代表1―1U―23日本代表(17日・トゥーロン)

 今夏のパリ五輪に出場するサッカー男子U―23日本代表が、五輪前最後の試合として開催国のフランスとアウェーで対戦し、1―1で引き分けた。元日本代表MF北澤豪氏(55)は「大敗もありえた中で負けなかったことは収穫」と評価した。サッカーは開会式(26日)の前に始まり、日本は24日に初戦のパラグアイ戦に臨む。

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 五輪前に最高のマッチメイクだった。開催国で優勝候補のフランスと対戦できたことは大きい。

 ひとつ間違えれば大敗もありえた中で負けなかったことは収穫だ。我慢する時間帯が長かったが、粘りきったことは自信になる。五輪本番につながる。

 ラカゼットとマテタというフランスのオーバーエージの2トップは強力だった。その2トップに対し、同数で対峙(たいじ)した日本のセンターバックの木村と高井はラインを下げなかった。ズルズルとラインを下げると、相手の圧力はもっと増す。日本の若いセンターバックの成長が見えた。

 フランスの決定機を防いだGK小久保の存在は、やはり大きい。セービングもコーチングも素晴らしかった。

 主将の藤田は、本当に頼りになる選手だ。強い相手に対しても、おびえたり、逃げたりするプレーは全くない。藤田がボールを持つと試合が落ち着く。苦しい状況の中でゲームコントロールができていた。いつボールを奪いに行くか、いつ前線に上がるか。その状況判断に優れている。数少ない決定的なチャンスをものにした仕事は見事だった。

 この試合の一番の課題は、後半の入り方だった。先制されて追いつかなければいけなかったフランスはMFオリーズを2トップの近くでプレーさせた。フランスが戦い方を修正することが予想される中で、日本は対応が遅れた。後半の最初のプレーで決定機をつくられ、後半2分に同点ゴールを決められた。五輪本番でも同じような状況は起こりえる。この経験を生かしたい。

 W杯も五輪も、とにかく初戦が重要。特に今回はパラグアイ戦だ。伝統的にパラグアイは賢い戦い方をして、相手に力を発揮させないことがうまい。日本も2010年南アフリカW杯で痛い目に遭っている(決勝トーナメント1回戦でPK負け)。パラグアイの術中にはまらないようにしたい。

 今回の日本五輪代表メンバーは、まだまだ、伸びしろが残っている選手が多い。初戦をいい形で乗り切れば、五輪期間の約2週間でさらに成長するだろう。

 初戦まで1週間。五輪は18人とメンバーが少ないので、全員がいいコンディションを整えることが大事になる。メダル獲得を期待しているし、その可能性は十分にある。(スポーツ報知評論家)

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