◆第106回全国高校野球選手権栃木大会 ▽2回戦 鹿沼商工3X―2白鴎大足利=延長10回タイブレーク=(18日・エイジェックスタジアム)
白鴎大足利のプロ注目の最速152キロ右腕・昆野太晴(3年)の夏が終わった。「エースを背負わせてもらっているので、あそこで打たれてしまった自分のせいです」。止まらない悔し涙を拭いながらつぶやいた。
この試合はベンチスタート。チームは5回まで2―0でリードしていたが、6回、8回にそれぞれ1点を失い同点に追いつかれる。8回二死二塁のピンチでコールされたのは背番号「1」。「絶対に抑えるという気持ちで立った」。昆野は最初の打者を四球で歩かせるも、続くバッターを全球ストレート勝負で三振に打ち取った。
試合は2―2のまま延長タイブレークに突入。10回表の白鴎大足利は得点を奪えず、迎えた10回裏、二死二塁の場面で鹿沼商工の3番・吉原啓太左翼手(2年)に甘く入ったスライダーを右中間に運ばれた。サヨナラで幕切れ。昆野はしばらく打球方向を見つめ、その場に座り込んだ。
試合終了後、昆野は何度も「抑えないといけなかった。申し訳ない」と繰り返した。今後については「これから考えます」と語る。春季関東大会優勝からまさかの初戦敗退。多くの経験を積んだ右腕は、次の舞台でどのような輝きを見せるのか。