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羽生結弦さん 新プロ披露は緊張の連続「正直めちゃくちゃ怖い」 プロ転向2年インタビュー第2回<前編>

スポーツ報知 2024年7月20日 4時0分

 プロ転向を表明してから19日で、丸2年を迎えたフィギュアスケートの羽生結弦さん(29)のインタビュー。第2回はスポーツ報知の単独取材に応じ、あるプログラムとの「運命の出会い」について明かした。(聞き手・高木 恵)

 ―競技者時代と比べて時間の流れ方は違うか?

 「競技者の時は体作りだったり、スケートの練習のために、みたいなことを、ずっと考えていればよかったんですけど。何かを作り出すとか、プログラムを振り付けするとか、そういうことをやっていると、練習だけに費やせる時間がないというか。だから、この期間はもう練習はしょうがないから、維持に努めようとか、これぐらいに抑えておいて、今は制作の期間だから、睡眠を削られてもしょうがないよね、とか。いいものを提供したいですし、いろんなことを考えたりしていると眠れなくなってしまう。そもそも不摂生が多い人間なので(笑い)。本当だったらスケートのためにもっと眠った方がいいよなとか、もっとこういうものを食べといた方がいいよなってあるんですけど。どんどん、どんどん、崩れていってしまいます」

 ―睡眠時間は。

 「その日によってですね。もう耐えられないなって思ったら、8時間9時間ぐらいバッて寝てしまっている時もあるし、気がついたら寝ていたみたいな時もあるし。逆に、一日中起きていましたみたいな日も普通にあります。完徹する必要はないのに、完徹してしまうみたいなことも普通にあるので。でも、そういう時こそ生まれてくるストーリーもやっぱり存在するし。なんとも言えないですね。いわゆる作詞活動であったりとか、作曲活動みたいなことをしているのと、あまり変わらないというか。そういうものなんだろうなって。自分はそういうスタイルなんだろうなって思って受け入れてはいます」

 ―3月の「notte stellata」のリハーサルで「新プロ緊張する」と言っていた。

 「もちろん、初めて皆さんの前で披露するということへの、失敗しないかな、大丈夫かな、っていう心配的な緊張もあるんですけど、どちらかというと、自分はいいと思っている、周りの近い人間もいいと思ってくれている。その輪が自分から身近な人になって、その身近な人からファンの人たち、世間一般に広がっていったときに、どう思ってもらえるかって、正直めちゃくちゃ怖いんですよ。価値観って人によって全然違いますし、プログラムとか、その曲を聴いた時に感じられる印象っていうのも、人それぞれ違うのは間違いないので。それが悪い方向に行かなきゃいいなっていう怖さはやっぱりあります」

 ―そのあたり、この2年の感触は。

 「こうして『RE_PRAY』なども含めて、たくさんプログラムを作ってきて、人それぞれ、このプログラムが好きっていう好みが分かれてくれているのも、またうれしいというか。セルフコレオが好きって言ってくださる人たちもいるし、振付師さんにちゃんと振り付けをしてもらった方が好きだよっていう人もいるし。フィギュアらしいプログラムの方が好きって言ってくださる人もいるし、逆に『メガロ』(MEGALOVANIA)みたいに、振り切っちゃったプログラムの方が好きっていう人もいるし、本当にさまざまで。それがまた、自分の特長でもありますし。それぞれ、いろんな解釈をして好んでくれることは、本当にうれしいことです」

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