◆プロボクシング ▽東日本新人王トーナメント・ミドル級（７２・５キロ以下）準々決勝４回戦 〇伊吹遼平 （１回ＴＫＯ） 山田健太郎●（１９日、東京・後楽園ホール）
人気時代劇「水戸黄門」の格さん役などで知られる俳優・伊吹吾郎の孫・伊吹遼平（三迫）が、東日本新人王トーナメント・ミドル級準々決勝で山田健太郎（高崎）に初回ＴＫＯ勝ちし、準決勝進出を決めた。準決勝では前戦で黒星をつけられた吉野健二（角海老宝石）と対戦する。
戦績は２８歳の伊吹が２勝（２ＫＯ）２敗、３４歳の山田が１勝（１ＫＯ）４敗。
ドラマの主題歌「あゝ人生に涙あり」が流れる中、入場した伊吹。横井龍一トレーナーがポストで印籠を掲げた。ゴングとともに前に出ると、丁寧にジャブを突き、力強いワンツーを放った。連打から右を効かせると、山田がガクッと膝を崩す。レフェリーはロープダウンを宣告した。試合が再開されても、伊吹は攻撃の手を止めず、ワンツーで追い込む。強烈な右が入ったところで、レフェリーが間に入って試合を止めた。プロ２勝目を挙げ、準決勝進出を決めた。
「初回から決めにいくのではなく、一発、一発、強弱をつけながらいった。しっかり当てようと思いました。前回がふがいない試合だったので勝ててよかった」と伊吹。毎試合、観戦に来てくれた祖父から、撮影のために後楽園ホールに行けなくなったという連絡が入った。「２連敗していたし、しっかり勝った姿を見せたいという思いもあって」、ここは是が非でも勝ちたかった。会場に来られなかった祖父は激励賞を贈って孫の背中を押した。
昨年９月、“浪速のロッキー”赤井英和の長男・英五郎（帝拳）に３回ＴＫＯ負け。新人王の夢を砕かれた。再起を誓った今年２月、吉野に４回ＴＫＯ負けして連敗した。「これが最後という気持ちで覚悟を持って試合に挑んだ。勝てて安心しています」と伊吹。次戦について聞かれると「リベンジというのではなく、来る人は倒すという気持ち。試合をやらせてもらえるのはありがたち。前回のふがいない試合を払拭するためにも次は必ず倒して勝ちたい」と勝利を誓っていた。