◆第106回全国高校野球選手権三重大会▽2回戦 近大高専4―3久居農林(20日・県営松阪)
近大高専が久居農林の追い上げを振り切った。近大高専の先発・武内義樹(2年)が公式戦初完投を記録。この日、最速を更新した146キロの直球を軸に、9回3失点で勝利へ導いた。注目の最速157キロ右腕・吉留勇太(3年)の登板は無かった。
先発のマウンドに上がった武内は「1回、2回と足がつりそうになったので」とペース配分を意識。初回に2点の援護をもらい、中盤の4、5、6回を「打たせていく投球に切り替えた」とクレバーな投球で凡打の山を築いた。しかし4―1の8回、1死一、三塁から市勢悠樹三塁手(3年)に右翼線へ2点三塁打を運ばれ1点差、なおも1死三塁の場面を迎えた。重阪俊英監督は「同点になったら吉留にいってもらうつもりだった」と明かしたが、「自分が勝たせるつもりで最後までいきました」と後続を三振と中飛に抑え、一度も追いつかれることなく、165球を投げ抜いた。
「いい投手がたくさんいるので、先発でも後ろでも試合を勝たせることが自分の役割」と話す武内。頼もしい2年生が悲願の初聖地へ向け、腕を振り続ける。