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加納陸 8年ぶりの世界挑戦で悲願ならず…WBO世界フライ級王座決定戦、左アッパーで一撃 3回KO負け

スポーツ報知 2024年7月20日 19時14分

◆プロボクシング ▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)王座決定戦 同級2位・加納陸―同級3位アンソニー・オラスクアガ(20日、東京・両国国技館)

 WBO世界フライ級2位の加納陸(大成)が、8年ぶりの世界挑戦で同級3位アンソニー・オラスクアガに3回2分50秒、KO負けを喫し、悲願の王座奪取はならなかった。3回終盤。オラスクアガに右ストレートでガードをはじかれた直後、返しの左アッパー一撃でダウン。10カウントのゴングが響いた。

 8年前はWBO世界ミニマム級王座決定戦で、高山勝成に6回負傷判定負け。17年5月の再起戦ではWBOアジアパシフィック・ミニマム級王座決定戦で6回KO負けを喫し王座獲得に失敗。さらにその後の再起戦となった2018年8月にて日本ミニマム級王座に挑んだが、これも8回TKO負けし三度、王座獲得に失敗した。階級を上げ、ライトフライ級とフライ級でWBOアジアパシフィック王座を手に入れ、チャンスを待った。「8年間…。長かったようなあっという間だったような」とようやくたどりついた世界戦だった。

 「自信を失いかけた」という8年前は18歳。そこから何度、挫折しても這い上がってきた。「言葉を信じてここまでこられた」と感謝するジムの丸元大成会長(48)や、「ずっと心の中にいる」と同時期入門で15年に慢性骨髄性白血病で他界した服部海斗さん(享年17)らへ「世界を取る姿を見せたい」と言う思いが突き動かした。

 加納と王座を争ったのは、WBC世界バンタム級王者としてこの日のメインを務めた中谷潤人(M・T)と親友でWBO世界フライ級3位のアンソニー・オラスクアガ(米国/帝拳)。「準備万端。チャンピオンになる機会が与えられて感謝している」とこちらも、2度目となる世界戦に必勝を期して試合に臨んだ。試合後、「加納は素晴らしい選手だった。パンチがあたれば成功につながると思った」と胸を張った。

 ◆加納 陸(かのう・りく)1997年11月16日、兵庫・川西市生まれ。26歳。小学4年からボクシングを始め、6年時のU―15全国大会2位。2012年の同大会で優勝。13年12月、フィリピンでプロデビュー。14年12月にWBOアジアパシフィック(P)・ミニマム級王座獲得。15年6月に日本プロデビューした。16年5月、東洋太平洋同級暫定王座獲得。同8月に初の世界戦となるWBO世界ミニマム級王座決定戦で高山勝成(仲里)に6回負傷判定負け。20年11月にWBOアジアPライトフライ級、22年9月に同フライ級王座獲得。162センチの左ボクサーファイター。

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