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電撃トレードで西武入りした松原聖弥が巨人・原辰徳前監督からもらった金言

スポーツ報知 2024年7月21日 7時0分

 各球団の担当記者が推す選手を紹介する「推しえて」の第8回は西武・松原聖弥外野手(29)。若林楽人外野手(26)との電撃トレードで6月末に巨人から移籍して1か月になろうとしている。セ・リーグとの違い、古巣時代の指揮官からの言葉、目指すポジションなど今後への意気込みを熱く語った。(取材・構成=秋本 正己)

 オレンジからブルーへ。チームのシンボルカラーもユニホームも変わった。電撃移籍が発表されて約1か月。新天地にも慣れつつある。西武では15試合に出場し打率1割2分2厘、0本塁打、2打点だ。

 「ユニホーム姿を映像で見てみると意外と普通。似合っているか、似合っていないかはわかりませんが、違和感なく見られています。ジャイアンツと比べて若い選手が多いですね」

 4年間通った明星大は東京・多摩地区の日野市にあった。西武の本拠地、埼玉・所沢市からはそれほど遠くない距離で、なじみもあるという。

 「立川にも住んでいましたし、多摩モノレールに乗って西武ドームで観戦したこともあります。12、13年になりますが、学生時代からこのあたりは行動範囲なので」

 ロッカールームからベンチ、ベルーナD内の構造、チームのしきたりはまだ完全に覚え切れていない。そこで頼りにしているのが古巣でも先輩だった炭谷だ。巨人ではベテラン捕手がリーダーだった“炭谷カンパニー”のメンバーでもあった。中村剛は中学時代に所属していた大東畷(だいとうなわて)ボーイズの先輩にあたる。

 「移動の時の服装、ルールが巨人の時とは違うので野球以外の部分も慣れていかないと。銀さん(炭谷)は一緒に行動してくれるので、サポートしていただいていますし、野球のアドバイスも聞けばしていただいています。中村さんとは『地元はどこやった?』とか『監督は誰やった?』など話しました。話しかけていただいていますし、話しかけやすい方です」

 パ・リーグの投手についてはある程度の基礎知識は持っていたが、対戦しその違いを身をもって実感している。

 「セ・リーグの投手は(ストライクゾーンの)四隅にボールを集めて変化球でかわすタイプが多いのですが、パ・リーグはパワー系の投手が多くてどんどんゾーン内で勝負してくる感じ。中継ぎもセ・リーグだったら勝ちパターンで投げている(ような実力の)投手がたくさんいるように思います」

 打席での積極性、広角に打ち分ける打撃センスは巨人・亀井コーチをして“天才”と言わしめるほど。同コーチの引退セレモニーで「あんたは天才だから、もうちょっとだけ頭、使っていけよ」と激励されたのは有名な話だ。加えて巨人・原辰徳前監督には「秀才になれ」と言われたという。

 「感性でやっているとか、野性的な部分が“天才”という表現になったのかもしれません。原さんからは『お前さんが天才なのはわかっているから。天才じゃなくて秀才になりなさい。どうして今の球がヒットになったのかわかっているのか?』と。振ったらたまたまヒットになったじゃ、引き出しとか、財産になるものが少なくなる。亀さん(亀井コーチ)の『もうちょっと頭を使っていけよ』という言葉に重なる部分だと思います」

 21年は自身最多の135試合に出場したが、ここ数年は出場数が減少。巨人で得たものを西武でいかに生かしていくのか。

 「1度、規定打席に達したのは大きな自信になりました。調子の波があるので、どうすればその波を少なくできるか。積極性、思い切りのよさは消したくないのですが、この2年はよくも悪くもそれがなくなっていた。その代わりといっては何ですが、出塁率は上がっているので、そのあたりをどう組み合わせていくか」

 来年1月で30歳。外野のレギュラーを狙う20歳代の若手が多い西武にあって、決して若くはない。その競争を勝ち抜くためにやるべきこととは。

 「今までが修業だったと考えて思い切りいきたい。年齢的にも同じ成績だったら若い選手が優先されると思うので、何とか頭一つ抜け出す姿勢を少しでもアピールできたら。今は出塁率の部分でよさを発揮できていないので、安打だけではなく四球で出るなど、どんどん出塁していきたい。走攻守全てで思い切ってプレーしていきます」

 ◆松原 聖弥(まつばら・せいや)1995年1月26日、大阪市出身。29歳。仙台育英から明星大に進み、2016年育成ドラフト5位で巨人入団。18年7月に支配下登録。21年には135試合に出場し、打率2割7分4厘、12本塁打、37打点を記録した。兄はロングアイランド(お笑いコンビ)の松原ゆい。173センチ、74キロ。右投左打。推定年俸2500万円。

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