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【高校野球】池田の関口赤彗星(シャア)ホワイトベース守れず敗退も「3年生のみんなとできてよかった」

スポーツ報知 2024年7月21日 5時0分

◆第106回全国高校野球選手権徳島大会▽2回戦 富岡西4-2池田(20日・むつみスタジアム)

 徳島では、春夏通じて甲子園優勝3度の古豪・池田が、19年春に21世紀枠でセンバツ出場の富岡西に逆転負けした。“ガンダムきょうだい”の長男・関口赤彗星(しゃあ、3年)が「5番・捕手」で先発したが無安打に終わり、7年ぶりの初戦敗退を喫した。

 徳島の青空に、真っ赤な彗星が輝いた。

 池田・関口は先発マスクをかぶり、エース・香川大翔(たいが、3年)を7回まで無失点にリード。だが、2―0の8回に4点を奪われ“ホワイトベース”を守れなかった。「負けたことは悔しい」と涙。秋春と県準Vに輝きながら初戦で敗れたが「3年生のみんなと池田高校で野球ができてよかった」と、仲間と過ごした2年半に胸を張った。

 “ガンダム一家”の長男が、ザク…ではなくキャッチャー道具とバットを相棒に、最後まで戦い抜いた。その名の由来はもちろん、あの人気アニメから。ガンダム好きの父・唯さん(46)が「子どもには世界で唯一の名を」と、生後3か月で早世した次男を含めた4きょうだいにそれぞれ、同アニメのキャラクター名を授けた。

 主人公のアムロ・レイではなく、あえてその宿敵シャア・アズナブルの名を一家の長男に託した理由について、唯さんは「シャアは(主人公の)敵キャラとして描かれるが、実は正義を持っている。彼のように、一つの確固たるものに向かって突き進んでほしかった」と熱弁した。

 そんな宿命を持って生まれた“徳島のシャア”は、野球での勝負を選択。中学時代は、シャアのカラーでもある赤いバッティンググラブやリストバンドを使っていた。「自分の手で投手を勝ちに導きたい。捕手にはこだわってやっている」と、扇の要としての強い信念を貫く。この日は、シャアの名言「戦いとは常に二手、三手先を考えて行うものだ」を実行。最後まで、相手打者の意表をつくサインを送り続けた。また、スイングスピードは140キロ超えでチーム1位。シャアのザクのように“通常の3倍”とはいかないが、「そこのスピードは持ち味」と、強烈なスイングでその名を体現した。

 高校卒業後は独立リーグに進み、野球を続ける赤彗星。将来は「NPBに入り、プレーだけじゃなくてキャラクターでも愛される選手に」と、その真っ赤な情熱を燃やした。(南部 俊太)

 ◆シャア・アズナブル 79年からテレビ放送され、映画、グッズと大ブームとなった「機動戦士ガンダム」の人気キャラクター。主人公アムロ・レイの属する地球連邦軍と敵対する、ジオン公国軍のエースパイロット。専用の赤い人型機動兵器「ザク」に搭乗したことから「赤い彗星」の異名を持つ。

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