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【巨人】昨季リーグ最悪3・81→今季2・26に…救援陣たて直した阿部監督の何気ない「肩ポン」

スポーツ報知 2024年7月21日 18時45分

◆JERA セ・リーグ 中日1―4巨人(21日・バンテリンドーム)

 巨人が3点のリードを守り切り、前半戦を連勝という最高の形で締めた。ただ、一歩間違えば…という場面が少なくとも2度。そのいずれのピンチも、阿部慎之助監督の見事な継投策で乗り切った。しかも、投手交代の際は、阿部監督ならではの「ある動作」も…。

 4ー1の7回、菅野投手に代わる「勝利の方程式」として、2番手でマウンドに上がったのはケラー投手だった。だが、この助っ人右腕が2安打と四球で2死満塁のピンチを招くと、指揮官は迷いなくベンチを出てマウンドへ向かった。盤石の継投策のはずが、勝敗の行方が一気に不安定となった大ピンチ。チームを預かる身としては怒りは当然のこと、「しっかりしてくれよ!」と愚痴のひとつも言いたくなるはず。だが、うつむきながらマウンドを降りるケラーに対し、阿部監督は何も言わず軽く肩をポンと叩いた。

 8回もそうだった。7回の2死満塁は、高梨投手が後続を断ち乗り切ったが、今度はバルドナード投手が3個の四球で2死満塁。2イニング続けて…しかも全部フォアボール…。はらわたが煮えくり返ってもおかしくない場面でもしかし、阿部監督はベンチへ戻りかけた助っ人左腕の肩を、優しくポンとたたいた。

 巨人史上初の捕手出身監督。現役時代から、扇のかなめとしてマスク越しにグラウンドを眺め、そして幾多の修羅場を潜り抜け、数多くの栄冠を勝ち取ってきた男は、誰よりもリリーフ陣の大切さと、その苦悩を知っている。だからこそ就任1年目が開幕する前から、なりふり構わずリリーフ投手を補強してきた。ケラー、泉、近藤、馬場…。

 そしてシーズンが始まり、交流戦以降に打線が調子を上げ、貯金を伸ばすことができたのも、開幕からずっとチームを支えてきた救援陣のおかげだということを、誰よりも知っている。

 だからこそ、前半戦フル回転してきたケラーとバルドナードが1度や2度、結果を残せなかったとしても、責める気などない。それどころか、「こんな日もあるさ」「また次は頼むな」「あとは任せろ」、そんな労いや激励など様々な思いがこもった「肩ポン」。指揮官からの変わらぬ信頼に背中を押され、2人とも心身をリフレッシュし、後半戦にまた活躍するはずだ。

 この日の助っ人2人に対してだけではない。指揮官の根底にあるリリーフ陣全員へのリスペクトと信頼が、チームを変えた。

 昨季リーグ最悪だったリリーフ陣の防御率は3・81から、前半戦終了時点で2・26となった。

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