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【高校野球】札幌日大・森本監督が通算6度目の挑戦で甲子園切符…『改名』&『参拝』で悲願達成

スポーツ報知 2024年7月22日 7時18分

◆第106回全国高校野球選手権南北海道大会 ▽決勝 札幌日大6―4立命館慶祥(21日・エスコンフィールド)

 “4度目の正直”でついに夏の頂点に立った。決勝が行われ、札幌日大が6―4で立命館慶祥を下し、初優勝を飾った。2006年から指揮を執る森本琢朗監督(43)は、就任後、甲子園にがる道大会(夏は南大会)で夏3度、秋2度決勝に進出したがいずれも準優勝。足元を見つめながら一歩ずつ歩みを進め、計6度目の挑戦で甲子園切符を手にした。全国高校野球選手権(甲子園)は8月4日に組み合わせ抽選会が行われ、7日に開幕する。

 “シルバーコレクター”返上だ。試合終了後、地元・エスコンフィールドに流れたのは札幌日大の校歌だった。計5度、決勝で相手校の校歌を聞いてきた森本監督は「やっと、応援してもらってきた方にちょっと恩返しできた」と母校の校旗を感慨深げに見つめた。

 06年7月の監督就任後、夏は今年で4度目の決勝だった。12年は7回、21年は8回に逆転を許して惜敗。優勝を逃し「できることは全部やる」と、全国の名将からも助言を受け、人事を尽くして天命を待った。

 21年春には名前の漢字一文字を「卓」から「琢」に改名。改名後に夏の甲子園出場を果たした弘前学院聖愛(青森)の原田一範監督(46)の勧めで決断した。今年3月からは、親交があった青森山田サッカー部元監督で現在はJ1町田の指揮を執る黒田剛監督(54)のルーチンを取り入れ、神社への参拝を開始。普段は札幌市内の弥彦神社、出張時は現地の神社に朝、夜の1日2回、試合の日は北海道神宮にも足を運び「今日1日の感謝。野球をさせてもらえる感謝。甲子園に行きます」と祈願を続けた。

 神にもすがる思いで「あと1勝」を追い求めてきた指揮官。全身全霊で高校野球に情熱を注ぐ姿に、選手がプレーで応えてくれた。この日は6点リードを奪いながら、7回に一挙4失点。2点差に詰め寄られ「(12、21年の逆転負けを)思い出すことはありました」。それでも、「粘勝」を掲げてきたナインが踏みとどまり「これまでの選手以上に終盤の粘り、耐えていくことができる子たち」と成長に目を細めた。

 監督就任19年目でたどり着いた南北海道の頂点。ついに全国切符を手にしたが、「決勝で負ける(立命館慶祥の)辛さがすごく分かる。残酷だなと常に思っている」と胴上げはなし。表情を崩すことなく、静かに喜びをかみしめ、次のステージに目を向けた。「甲子園でも自分たちの野球は変えず、力を発揮させられるような野球をしたい」。ボールパークで賑わう北広島から初の夏の甲子園へ。夢の扉を押し開いた森本監督は、春夏通じて初勝利を目指し、聖地に乗り込む。(島山 知房)

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