◆第１０６回全国高校野球選手権三重大会▽３回戦 近大高専８―１尾鷲＝７回コールド＝（２２日・津市営）
三重大会では、初戦に１５７キロを計測した近大高専の吉留勇太投手（３年）が今大会初の先発登板。最速は１５１キロだったが、７回３安打１失点完投で、チームをベスト８に導いた。
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Ｇの守護神のように、吉留も“ガチ”だった。連続四死球などで招いた２回無死満塁。１ボール２ストライクから８番・柿原咲太右翼手（１年）をこの日、最速の１５１キロで見逃し三振に仕留めた。「初めは緊張もあって空回りした。（１５１キロは）８割くらいです」。続く打者への暴投で先取点は奪われたが、この１失点のみで７回を投げきった。
進化のきっかけは挫折にある。昨秋の県大会準決勝（鈴鹿戦）で７回から登板したが、１点リードの９回に２点を許し、敗戦投手となった。「今までで一番苦しいと思った」。センバツへの道が断たれた後、ウェートトレに本格着手。憧れの巨人・大勢が体をいじめ抜く動画も見て、メニューに取り入れた。「やってきたことが夏に出ている」。１４６キロだった直球がひと冬を越えて、１５７キロまで上がった。
右肘を少し下げた投球フォームから放たれる威力満点の直球は、大勢さながら。「最後なのでやることをやって悔いなく終われたら」と吉留。同校初の甲子園へ、真っ向勝負で相手をねじ伏せる。（森口 登生）
◆吉留 勇太（よしどめ・ゆうた）２００６年７月１０日、大阪市生まれ。１８歳。茨田東小１年から諸福スパイダーズで野球を始める。茨田北中時代は東大阪シニアに所属。近大高専では１年秋から背番号１８でベンチ入り。最高成績は昨秋の三重ベスト４。最速１５７キロで変化球はスライダー、カーブ。１７５センチ、７８キロ。右投右打。好きな有名人は、柔道家でＹｏｕＴｕｂｅｒの川端龍（ドンマイ川端）。