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【高校野球】タイブレークから一挙8点、クラークが旭川実との激闘を制し大会連覇に王手・・・決勝で白樺学園と対決

スポーツ報知 2024年7月23日 5時55分

◆第106回全国高校野球選手権北北海道大会 ▽準決勝 クラーク9―1旭川実(22日・旭川スタルヒン)

 準決勝2試合が行われた。春季全道大会準優勝のクラークは、延長10回タイブレークに突入した旭川実との激闘を9―1で制し、大会連覇に王手。プロ注目の最速152キロ右腕・田中稜真(3年)を最終盤に攻略した。

 0―1で迎えた9回、追い込まれた状況も、クラークの誰一人、諦めている者はいなかった。四球などで無死一、二塁の好機をつくると、4番の児玉旭陽(3年)に佐々木啓司監督(68)が声をかけた。「好きな方でやりなさい」。犠打かヒッティングか、任された選択に児玉は「打って終わりたい」と強攻策に出た。「前の打席の一塁ゴロは中途半端なスイングだった。それまで打ててなかったので緊張はあったが、直球狙いで思い切って振ろうと」。迷いを断ち切るように放った一打は左中間へ。試合を振り出しに戻す同点適時二塁打となった。

 打だけではなかった。9回裏、無死二塁からマウンドに立った佐藤蒼汰(3年)は2死満塁のピンチを迎えた。「中学時代、1点も与えられない状況で抑えた経験があった。それを思ったら大丈夫だと」。己を信じ、投じたスライダーで旭川実・田中を中飛に打ち取った。過去3戦3勝とクラーク得意のタイブレークに持ち込むと一挙8点。連覇への道をつないだ。

 プロ注目右腕との対戦へ、策は練ってきた。打撃練習の際には通常130キロのマシンの設定を145キロにしてきた。8回までは2安打に抑え込まれてきたが、児玉が「目はしっかり慣らしてきたので」と言ったように、10回に対策が結実した。試合を締めた佐藤は「ずっと劣勢だったけど、最後は勝てると信じていた」と言い、山田陽紫(きよし)主将(3年)は「試合前からプロ注目の投手を簡単に打てるわけがないとみんなで話していたので。安打は出なくても焦ることはなかった」と気負いなく臨んだことが奏功した。

 選手の意思も尊重する一方で、準備が形になっての決勝進出に、佐々木監督も「お見事でした」と表情を緩めた。2年連続の聖地へ、昨年は準決勝でタイブレークの末に7―5で競り勝った白樺学園とぶつかる。児玉は「難しい相手と思っていた田中投手を打てたので」と、難敵撃破の勢いに乗っていく構えを強調した。土壇場からはい上がったクラークが、底力を再度、発揮しにいく。(砂田 秀人)

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