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ドロンジョの名セリフ「スカポンタン」はアドリブ…初代のび太役声優・小原乃梨子さん88歳死去

スポーツ報知 2024年7月24日 6時0分

 人気アニメ「ドラえもん」の野比のび太の声(1979~2005年)などで知られる、声優の小原乃梨子(おはら・のりこ、本名・戸部法子=とべ・のりこ)さんが12日に死去していたことを23日、所属事務所(81プロデュース)が発表した。88歳だった。死因は非公表で葬儀は家族葬で執り行われた。

 多彩な声色で日本アニメの人気と発展を支えたレジェンド声優が天国へと旅立った。所属事務所はこの日、「病気療養中のところ薬石効なく、88歳にて永眠致しました」と報告。関係者によると、2018年6月に現在の事務所に移籍するまでは健康そのものだったという。21年にはアニメ「アンパンマン」の黒バラ女王役を声優・平野文に引き継ぎ。最後の仕事は、22年の女性誌のインタビューだったとみられる。同事務所では「遺作は把握しきれていない」とした。

 公式サイトによると、小原さんは、4姉妹の物語を描いた映画「若草物語」を中学生の時に観賞。次女ジョー役を演じていた米女優ジューン・アリソンを見て女優を志した。学生時代は演劇部に所属していたことから、民放テレビ草創期よりドラマに出演。テレビで外国映画の放送が始まると、吹き替えの仕事で声優としてのキャリアを重ねた。

 アニメ「ドラえもん」ののび太役は、テレビ朝日放送版としては初代で、約26年間務め上げた代表作に。イベントなどでも愛着の深さを語っていた。

 以前所属していた事務所の関係者によると、同じく代表作となったアニメ「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」のドロンジョ役で、部下に命じる「やっておしまい」に続いて知られるセリフ「スカポンタン」は、小原さんのアドリブだったという。子供向け番組であることを配慮し、自ら「スカタン」「アンポンタン」を合わせた造語だった。

 声優の活動のほか、1988年から「心の通う朗読の世界」をテーマに、全国の大学・自治体などで講演や読み聞かせの指導も。晩年は全国各地での朗読活動を精力的に行っていた。

 ◆小原 乃梨子(おはら・のりこ)本名・戸部法子=とべ・のりこ。1935年10月2日、東京生まれ。外国映画の吹き替え声優としても活躍。79年に「第1回アニメグランプリ」女性声優部門第1位、2007年「第1回声優アワード」功労賞など受賞。趣味・特技はクラシック音楽、バレエ鑑賞、ボールルームダンス、フルート、ハープ。着物着付講師の資格を持つ。

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