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【高校野球】智弁学園、ライバル・天理撃破で4強入り 田近2失点完投で小坂将商監督にバースデー白星届けた

スポーツ報知 2024年7月24日 5時0分

◆第106回全国高校野球選手権奈良大会 ▽準々決勝 智弁学園5―2天理(23日・さとやくスタジアム)

 奈良では準々決勝が行われ、昨夏王者で甲子園出場春夏計35度の智弁学園が、同55度の天理に5―2で逆転勝ちし強豪対決を制した。エース左腕・田近楓雅(3年)が5安打2失点で完投。進学校の郡山は大和広陵を7回コールドで破り、8年ぶり4強入りした。26日の準決勝は高田商―奈良大付、智弁学園―郡山の顔合わせ。

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 宿敵から27個目のアウトを奪うと、田近はマウンドで雄たけびを上げた。天理との大一番に先発した智弁学園のエースが5安打完投。奪った三振は4つだが、打たせて取る投球で的を絞らせない。「本調子ではなかったが、修正しつつ自分のピッチングに近づけていけた」と喜んだ。

 序盤3回で下半身に違和感を覚え、6回には左足をつった。それでも「痛いけど、気にせずに気持ちをぶつけるだけ。絶対にエースとして途中で降りるわけにはいかなかった」。背番号1の責任を胸に投げ抜き、大きな白星をつかんだ。

 並々ならぬ覚悟だった。ライバル天理とは、毎年のように甲子園の座を争うが、今春の県大会準々決勝では、2―8と大敗。悔しさを胸にチームでは強化練習を敢行した。日々の練習は、グラウンドに貼り出された敗戦スコアを全員で見ながら「やり返すぞ」の掛け声でスタート。「もう本当にずっと、天理には負けたらあかんっていうのをチームとして考えていた」と田近。今春対決では登板のなかった左腕も、夏へ闘志を燃やし続けてきた。「メンバー外、指導者や保護者の方々などの思いを背負って投げた」と期待に応えた。

 この日は、OBでもある小坂将商(まさあき)監督の47歳の誕生日。エースは「勝って最高のプレゼントをしようと。実現できてよかった」とベンチの指揮官へ、これ以上ない“お祝い”を届けた。「目標は日本一。やっぱり奈良では智弁の誇りがある。まずは準決勝を自分たちの野球で戦いたい」と天理打倒に満足することなく、その視線を先に向けた。(南部 俊太)

 ◆田近 楓雅(たぢか・ふうが)2006年5月25日、大阪・枚方市生まれ。18歳。船橋小2年時から枚方樟葉ウイングスで野球を始め、招提北中時代は京都シニアでプレー。智弁学園では2年春から背番号10でベンチ入りし、2年秋から背番号1。最速140キロ。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク。180センチ、80キロ。左投左打。

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