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【高校野球】聖和学園 創部21年目で春夏通じて初の甲子園出場!150キロ超のピッチングマシンで対策実った

スポーツ報知 2024年7月24日 5時55分

◆第106回全国高校野球選手権宮城大会 ▽決勝  聖和学園8―5仙台育英(23日・楽天モバイルパーク)

 決勝で聖和学園が仙台育英を8―5で破り、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。攻めの姿勢を貫いた打線が19安打と爆発。1―3で敗れた2年前の決勝にも出場した「1番・遊撃」の三浦広大主将(3年)が4打数2安打とチームを引っ張り、悔しさを晴らした。全国高校野球選手権(8月7日から17日間、甲子園)でも粘り強く戦い、聖地初勝利を目指す。

 三塁側スタンドから祝福の歓声が降り注いだ。聖和学園の選手たちは笑顔でガッツポーズを繰り返した。今春県王者・仙台育英を倒し、創部21年目で春夏通じて初の甲子園出場だ。「勝った直後は実感がなくて、まだ(大会が)続きそうな心境でした」と振り返った八島知晴監督(46)だが、校歌を聞くと「いろんな感情が浮かんできて、感無量というか…」と涙が流れたという。多くの支えを胸に、甲子園切符をつかんだ。

 最後まで攻め続けた。先発右腕の山口廉王(れお、3年)をはじめ、140キロ超の直球を持つ相手投手陣に対し19安打を浴びせた。「割り切って覚悟を決めて、一生懸命やっただけだと思うんです」と指揮官は話したが、試合前日はピッチングマシンの球速を150キロ超に設定して対策を講じてきた。それでも「一番大事なのは選手が打席に入ってからの感覚」と八島監督。チームに勇気を与えたのは、初回の先頭打者で打席に入った三浦主将だった。

 カウント2―2から6球もファウルで粘り、最後は二ゴロに倒れるも「真っすぐは対応できる、甘く入ったのをしっかり打っていこうと伝えた」。主将の言葉に背中を押され、その後は各打者が狙い球をたたいて安打を重ねた。1点を追う3回に3点を奪って逆転。その後はリードしたまま試合を進めたが、指揮官は「受けに回ると一気にやられるイメージがあった。積極的にいこうと思った」と最後まで攻めの姿勢を崩さなかった。途中出場の選手が適時打を放つなど、選手たちも起用に応えた。

 2年前の22年夏、同じ決勝の舞台で仙台育英と対戦。その後日本一となるチームに1―3で敗れた。その試合も1番打者で出場していた三浦は、先輩から「勝ってくれ」「銀メダルじゃなく金を取ってこい」と励ましの言葉をもらったことを明かし「苦しい場面で思い出したのは先輩たちのメッセージでした」。

 今大会で対戦した相手に対し三浦は「負けたにも関わらず、涙ながらに『頑張れよ』と声をかけてくれた。野球の良さを感じましたし、すごく自分の支えになっていました」と涙を流して感謝した。初の聖地に向け、「夢を与えられる場所。いろんな方が見てくれるところで聖和学園の良さを見せていけたら」と意気込みを語った主将。支えてくれた全ての人の思いを胸に、甲子園でも躍動する。(有吉 広紀)

 ☆聖和学園・佐藤煌馬一塁手(2年。4番に座り、1回の先制打など4安打3打点)「迷わずコンパクトに振ろうと臨んだ。先輩たちは優しく声がけをしてくれるので、楽な気持ちで打席に入れます」

 ◇聖和学園 (仙台市)1930年に創立された私立校。1986年に現校名に改称。生徒数1612人。野球部は2004年に創部。甲子園は春夏通じて初出場。部員数74人。千葉剛校長。

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