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【高校野球】武相、準決勝サヨナラ惜敗も確かに示した“雑草の逆襲”「3年生は素晴らしいものを残してくれた」

スポーツ報知 2024年7月24日 9時29分

◆第106回全国高校野球選手権神奈川大会 ▽準決勝 横浜2x-1武相(23日・横浜スタジアム)

 今春県王者の武相が横浜にサヨナラで競り負け、56年ぶりの甲子園行きは果たせなかった。

 2回表2死満塁のチャンス、渡辺羽音(2年)の右前適時打で先制。先発した2年生左腕・八木隼俊は5回に同点とされたが、8回まで1失点の好投でリードを与えなかった。

 だが9回裏、2死走者なしから中前安打、四球で2死一、二塁のピンチを招いた。ここで横浜の1番打者、2年生主将の阿部葉太に対して、ベンチは申告敬遠を指示。満塁策を取ったが、続く奥村凌大(2年)に左前安打を浴び、試合は決まった。

 試合後、豊田圭史監督(40)は「僕が不甲斐ないです。選手はよくやってくれました。今の3年生には感謝しかありません」と感無量の表情。「横浜高校さんは技術も才能も全てにおいて、エリートの素晴らしい選手たちの集まり。僕らみたいなチームが勝つには、この1球というものを突き詰めるしかないと、肌で感じてもらったと思う。3年生は素晴らしいものを残してくれたと思います」と目を潤ませた。

 申告敬遠による満塁策についても「歩かせたのは僕の選択。全ては結果論。申し訳ない。阿部君はキーになる選手。きょうの内容を考えると、奥村君の方が(打ち取れる)可能性があると。外野の守備位置を(前に)動かさなかったのは、僕の経験不足」と悔やんだ。

 しかし、スタンドの控え部員も含め、ナインが一丸となったチームの勢いは「古豪復活」を印象づけた。

 「僕自身、秋春夏と全て、勝負を懸けに行っていた。本気で人生を懸けて采配をしようと思ってやってきた。申し訳ない」と瞳を潤ませた指揮官。この日の悔しさは必ず下級生に引き継がれる。チームのスローガン“雑草の逆襲”は、まだ序章に過ぎない。(加藤 弘士)

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