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【パリ五輪】日本代表を全面バックアップ! サウナ、炭酸泉、洗濯機…工夫こらした13億円のサポート拠点が初公開

スポーツ報知 2024年7月24日 18時12分

 【パリ(24日)ペン=大谷翔太】日本スポーツ振興センター(JSC)が、パリ五輪に出場する日本代表をサポートする「パリオリンピックJSCサポート拠点」が24日、報道陣に公開された。パリ・サンドニの選手村から近い約4000平方メートルの既存施設を活用し、選手のトレーニングやコンディショニング、食事面を全面バックアップする同施設。統括責任者の久木留毅氏は「私の知る限り、この村外拠点は2012年ロンドン大会から始まり、過去最高の出来となっている」と胸を張った。

 充実の機器、設備がそろっている。ウェートトレーニングのエリアは、スクワットなどができるフリーウェート中心に器具を配置。都内のハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)と可能な限り同様の重りなどを、現地でそろえた。トレッドミル、バイクなどが置かれる有酸素トレーニングエリアもある。そして柔道、フェンシング、レスリング、ブレイキンは練習場が施設内にあり、柔道は畳288枚の2面を設置。原則午前9時から午後9時まで、選手は練習できる。

 心身のケア、コンディショニング設備にも心血を注いだ。選手の要望も多かったサウナは、既存の設備を利用し、横にアイスバスを置いて交代浴ができる。室温が60度までと比較的低温だが、ロウリュができ好評だと言う。また、同フロアには40~42度に設定された炭酸泉と約15度の冷水が入った浴槽も複数個置かれ、大きいサイズが5人、小さいサイズに2人が入れる。選手村にはバスタブがないと言い、こちらでも交代浴が可能。血管拡張作用が期待され、より回復効果が見込まれる炭酸泉は、JSC肝いりの一つでもある。

 2階には、専門スタッフが常駐しメンタルケアを受けることができる心理相談室も設置。また、同フロアのリラックスルームには畳が置かれ、クッションの他に1人になりたい時に入ることができる簡易テントも置かれている。食事は体重管理が必要な選手のことも考慮し、栄養素やカロリーが詳細に書かれた日本食などの定食メニューを提供。選手が自身で食材を選ぶことができ、特に薄切り肉のしょうが焼きが人気メニューだという。

 「とにかく、HPSCでやっていることをここでもやる」と、久木留氏。視察や施設選びから約2年、オリ・パラ通じて約13億円の運営費で最高の環境を整えた。トレーニング設備だけでなく、洗濯機10台と乾燥機も設置。これは、海外の選手村では洗濯を出した際、紛失するリスクもあることなども考慮したという。フランスの法律では、乾燥機は防火扉がついた部屋内になければならず、スタッフが試行錯誤しながら対応。トレーニングを行う選手たちに快適な環境を提供するため、もともとなかった空調設備も新たに整えた。久木留氏は「JOCとJSCが連携して、オールジャパン体制でサポートしていきたい」と、全面バックアップに力を込めた。

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