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【高校野球】西日本短大付、OBの日本ハム・新庄監督と同級生の西村監督「感謝」 福岡大大濠に雪辱で聖地へ

スポーツ報知 2024年7月25日 5時25分

◆第106回全国高校野球選手権福岡大会 ▽決勝 西日本短大付5―2福岡大大濠(24日・北九州市民球場)

 曇天の空から、光が差し込んだ。同点の8回2死一、二塁。西日本短大付・山下航輝捕手(2年)が真ん中高めのスライダーを捉えると、打球は右翼席へ伸びていく。打球がスタンド中段に着弾すると、山下は目を光らせながら、ダイヤモンドを一周した。「一番いいところで打てて、涙が出るほどうれしかった」。3年ぶり7度目の夏の甲子園を決める決勝3ランに、感情があふれた。

 昨秋、今春と敗れた福岡大大濠との決勝。最後の打者を村上太一投手(3年)が遊ゴロに抑えると、マウンドに歓喜の輪が生まれた。「甲子園から招待してもらえるようなチームを作ろう」と言い続けてきた西村慎太郎監督(52)も、三度目の正直での雪辱に「感謝しかない。この子たちは招待状をもらえたのかな」と男泣きした。

 35年前のリベンジも果たした。福岡大大濠との決勝は、日本ハム・新庄監督と同級生の西村監督が高校3年だった1989年以来。新庄監督は5打数4安打1打点、サイクルヒットの活躍をするが惜しくも敗北。西村監督も「9番・遊撃」で出場したが、3回に打球が首に当たり途中交代して病院へ。9回に帰ってきたベンチで、チームの敗退を見つめることしかできなかった。

 「あそこで負けて甲子園に出られなかったのが今、指導者をやるきっかけ」。苦い思い出を打ち破っての勝利で、球友の新庄監督にも「いい報告ができる」と誇らしげに語った。“新庄魂”を受け継ぐ後輩が、先輩がプロで輝いた聖地を駆ける。(浅岡 諒祐)

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