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【明日の金ロー】懐かしいどころじゃない! 50年以上前のおもちゃも登場する「トイ・ストーリー」

スポーツ報知 2024年7月25日 21時0分

 26日の金曜ロードショー(後9時)は、3週連続の「ピクサー特集」の第2弾として「トイ・ストーリー」(1995年、日本公開は96年)が本編ノーカットで登場する。

 後に世界的大ヒットを量産する同社の記念すべき長編第1作。96年の米アカデミー賞では、「世界初の長編CGアニメ」であることが評価され、特別業績賞がジョン・ラセター監督に贈られた。

 「何で長編アニメ映画賞を獲得していないの?」と思う人もいるかもしれないが、先週のコラムでも触れたように同賞ができたのが2002年。本作が公開された時にはまだ賞が制定されていなかっただけであって、もし存在していれば「ほぼ間違い無く」どころか100%獲得していただろう。

 ちなみに、11年には「―3」、20年には「―4」が同賞を受賞。技術系の賞ならまだしも、2度にわたって続編が作品賞を取るというのも異例で、いかにこのシリーズが偉大かが分かるのではないだろうか。

 さて物語は、おもちゃが大好きな少年アンディの部屋から始まる。おもちゃたちは人間が見ていないところでは自由に動き回り、その部屋ではアンディの一番のお気に入りであるカウボーイの人形・ウッディをリーダーに、毎日楽しく暮らしていた。

 だが、誕生日プレゼントでもらったスペース・レンジャー、バズの登場により、ウッディの立ち位置が危うくなることに。自らを本物のスペース・レンジャーだと信じて疑わないバズと張り合うウッディだったが、ひょんなことから隣に住むイタズラ好きの少年・シドに共に捕まってしまう。果たして”二人”は無事、アンディの元へ帰ることができるのか…。

 ウッディとバズの単なる友情物語ではなく、おもちゃなどの物を大切に扱うことの重要さや他人を信頼することなど、様々なことを教えてくれる本作。そのストーリーを盛り上げているのが主人公たちの周りにいるおもちゃたちなのだが、彼らが妙に「レトロ」なところが面白い。実は”50年選手”以上のものも多く登場する。

 ぶつかるとすぐに顔のパーツが取れてしまう「ミスター・ポテトヘッド」は、「G.I.ジョー」やボードゲーム「モノポリー」などで知られ、「スター・ウォーズ」などのキャラクター商品も製作しているハズブロ社の幼児向けおもちゃ。登場したのは何と1952年で、すでに70年以上の歴史がある。もちろん現在でも人気商品として販売されている(本作の中では「対象年齢は3歳以上なのに」というセリフがあるが、同社のホームページによると2歳以上となっている)。

 また、緑色の小さな兵隊の人形「グリーン・アーミー・メン」も第2次大戦後に発売され、60~70年代にブームとなったおもちゃ。スリンキー・ドッグの胴の部分は、不思議な動きをするバネおもちゃ「スリンキー」として、こちらも「昭和の子供たち」に人気の商品だった(記者はコレだけは遊んだ記憶があります)。

 本作の時代設定はハッキリとは示されてはいないが、「時代遅れ」のおもちゃになっているものもあると考えられる。それでも、アンディが引っ越し先にまで持っていくほど大切に扱われているというところも、本作が子供だけではなく大人たちも楽しめる作品となったことを後押ししているのではないだろうか。(高柳 哲人)

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