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【パリ五輪】“ボルドーの歴史的大勝”サッカー男子日本五輪最多5発を呼んだ金メダル候補とのドロー

スポーツ報知 2024年7月26日 8時0分

◆パリ五輪サッカー男子 ▽1次リーグ第1戦 日本5―0パラグアイ(24日、ボルドー競技場)

 【ボルドー(フランス)24日=ペン・後藤亮太、カメラ・岩田大補】パリ五輪は26日(日本時間27日未明)の開会式に先立って24日、競技がスタート。サッカー男子でアジア王者の日本は1次リーグ(L)D組初戦で、南米予選1位の難敵パラグアイに日本の五輪最多得点となる5―0で大勝した。三戸(みと)舜介(21)=スパルタ=、藤尾翔太(23)=町田=がともに2得点。1968年メキシコ市五輪の銅メダル以来の表彰台&史上初の金を期待させる“ボルドーの歴史的大勝”を「見た」。

 シャンパンの泡が湧き立つかのようにゴールが次々と生まれた。南米王者を相手に5―0の完勝劇。3―4で屈した04年アテネ五輪の雪辱戦で日本の強さをきっちりと見せつけ、時差7時間の未明の日本に朗報を届けた。日本から駆けつけたサポーターの「ニッポンコール」にも背中を押された大岩剛監督(52)。しかし、「得失点差だけを考えたら1戦目としては理想的だったけど、相手が10人だったこともしっかり評価の中に入れないといけない」。選手たちも誰一人浮ついておらず、逆に頼もしさすら覚えた。

 参加16チームで唯一、24歳以上のオーバーエージ(OA)が不在。OA不在の過去のアトランタ、北京は1次Lで敗退した。戦前の不安視を吹き飛ばすように躍動した。担い手は国際Aマッチ期間外の4~5月に行われたU―23アジア杯に不参加だった海外組の三戸と斉藤だ。中盤の左と左ウィングに入り、立ち上がりから何度も好機を演出。前半19分の先制点は左サイドバックの大畑も絡んで「3人の連係がうまくできていた」と、最後は大会3番目に身長が低い164センチの三戸がネットを揺らした。

 前半24分に相手に退場者が出てからは、ボールを保持しながら、チャンスと見ると厚みを持った攻撃をたたみかけた。後半に三戸が2点目を決めると、山本が3点目、途中出場の藤尾も2得点。3点目まではサイドが起点で、4点目はセットプレー、5点目はカウンター。主将のMF藤田が「点の取り方にバリエーションもあったし、内容的にもすごい良かった」と振り返った。

 最高の予行演習が生きた。17日の国際親善試合で金メダル候補の開催国フランスと1―1。引き分けだったが相手の身体能力の高さや個の能力に圧倒された。「うまい選手はいるけど、フランスに比べると一つ二つレベルは落ちるなと。このくらいの相手ならやれると自信はできた」と山本。三戸は「全然強度も違いましたし、フランスとやれて本当に良かった」。優勝候補の強さを体感したことがプラスに転じた。

 試合前日には選手間ミーティングを実施し、気持ちをグッと高めて臨んだ。五輪で初の1試合2人の複数得点者が生まれ、96年アトランタでブラジルに勝利した「マイアミの奇跡」以来の南米相手からの勝利ともなった。

 1次Lは勝ち点で並んだ場合、得失点差、総得点の順番で順位を決める。日本は中2日で臨む第2戦のマリに勝利すれば8強進出が決まり、さらに同組のパラグアイ―イスラエル戦が引き分けに終われば、首位突破も決まる。「この試合が特殊だったことを認識した上でしっかり次に向けて準備をしたい」と大岩監督。緩みはないが、金メダルへの期待値は間違いなく高まった。

 ◆男子サッカー日本代表の五輪最多得点 パラグアイ戦で挙げた1試合5得点は史上最多。初参加した1936年ベルリン大会から通算41試合目でマークした。MF南野拓実らが得点した2016年リオ大会1次Lのナイジェリア戦(4●5)、MF久保建英らが得点した21年東京大会1次Lのフランス戦(4〇0)の4得点を超えるゴールラッシュとなった。

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