◆第１０６回全国高校野球選手権富山大会 ▽準決勝 富山北部２－０未来富山（２５日・富山市民）
準決勝が行われ、富山北部は２－０で未来富山に勝利し、２年連続の決勝進出を決めた。エース左腕、福山天輝（３年）が好投し、４安打で完封勝利。落差のある９０キロ台のカーブを交えながら、勝負どころでは１３０キロ後半のストレートをコントロール良く低めに集めて打たせて取った。６回途中には雷で５０分間中断し、８回からはナイターが点灯するなど、変則的な展開となったが、福山は「中断の時も応援の声が聞こえたので、気持ちは楽でした。ナイターの試合は初めてでしたが、いつもと変わらなかったです」と、人懐っこい笑顔を浮かべた。
決勝の相手は富山商に決まり、昨夏の決勝と同一カードとなった。この日の準決勝で好投した富山商の右腕、山本心太郎（３年）とは、小学生時代に所属していた軟式野球チーム「アルペンズ」で一緒にプレーした幼なじみだ。富山市民球場（通称、アルペンスタジアム）を拠点にするチームで、エースだった山本に対して、福山は３番打者として活躍したという。今でもＬＩＮＥで連絡を取り合い、山本からは「決勝で一緒に対戦しような」と連絡が来れば、福山は「絶対に決勝に行くよ」と返答。「慣れ親しんだアルペン球場にやっと帰ってくることが出来た。山本と投げ合いたいです」と闘志を燃やす。
昨夏の富山商との決勝で、福山は８回に３番手投手として登板。１イニングを無安打、無失点に抑えたが、チームは３－７で敗れた。「去年は目の前で胴上げされて悔しかったです。それ以来、銀メダルを金に変え、甲子園で勝利することを目標にしてきました」と福山。旧友との対決を心待ちにしながら、昨夏のリベンジを誓う。（中田 康博）