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赤字になってもJ1残留を優先すべき…J1札幌・三上大勝代表取締役GMのコンサ便り

スポーツ報知 2024年7月27日 7時25分

 今夏、6選手を獲得した。元々は2~3人の補強をしっかりとやっていきたいと早い時期から動いていた。同時にこの厳しい立ち位置からJ1残留をつかみ取るためには、ホームでの絶対的な雰囲気が必要なんじゃないかとクラブとして思っていた。その思いをパートナーである石屋製菓様を中心とした企業に相談させてもらったところ、「絶対J1残留!大応援」というキャンペーンをさせてもらうことになった。そのパートナー企業の方々の思いを考えた時、より残留に近付くための補強をした方がいいのではと考えた。10万人規模のチケットを購入してもらった収益を、更なる補強につなげようと、予算を投下させてもらった結果、6人の補強が実現できた。

 FWはジョルディ・サンチェスとアマドゥ・バカヨコの2人を獲得した。J1残留を考えた時、現15位くらいの当該クラブとの直接対決には絶対に負けず、それ以外のチームとのホームゲームでは勝ち点を重ねていくことが必要と考えている。それを具現化していくためには、1試合2得点が必要。2つの特徴を持つFWが入ることで、その目標に近付けると決断した。

 190センチのジョルディはポストプレーをしっかりとやりながら、マンツーマンDFのスイッチを前線から入れられる走力も兼ね備えている。クロスはチームとしても多く上げられているので、それをしっかりとゴールに入れる役割を期待した。バカヨコは193センチだが機動力があるタイプなので、真ん中で出ても、右にも左にもスペースにも出ていける。終盤に点を取りに行かなきゃとなった時、五分五分なアバウトなボールに対しても、ジョルディがいてバカヨコもという状況ができると、今いる鈴木武蔵、大森真吾、金健煕も含めれば、1試合2得点には十分に届くと考えている。

 J3琉球から獲得した白井陽斗は、シャドーとワイドの両方のポジションで得点に絡めるなと。両位置ともチャンスメイクできる選手はうちにも何人かいる。その位置からゴールに直結するタイプを1枚加えることで、戦術の多様性が持てると判断した。

 フランシス・カンは左利きだが、右サイドの選手と考えている。右ワイドは近藤友喜がすごく成長して相手の脅威になっているが、彼は縦にどんどん抜けてクロスを入れていく。しかしカンはカットインからのクロスやフィニッシュが強みで、昨季までいた金子拓郎のようなイメージを抱いている。対戦相手によって、タイプの異なる2人を使い分けられればと来てもらった。

 3バック左もワイドもできるパク・ミンギュは、うちが4バック気味の戦術を取った際、左サイドバックもこなせる。そういうオプションを持っておいた方が戦い方に幅が出る。更に彼はどの位置であっても走れて、戦える。左サイドの安定感と競争力が増すと思い、獲得させてもらった。

 今年は黒字にこだわってスタートを切った。ただ残念ながら今の順位になってしまい、仮に赤字になっても、まずはJ1残留を何よりも優先すべきと考え、今回の補強に至った。このチームだったら必ずJ1に残留できると俺は信じているし、残留しなければいけない。(株式会社コンサドーレ代表取締役GM・三上 大勝)

 ◆三上 大勝(みかみ・ひろかつ)1971年9月17日、室蘭市生まれ。52歳。室蘭大谷高、札幌大を経て、94年から2年間、当時JFLのNEC山形でプレー。ポジションはDF。99年に当時の札幌の運営会社「北海道FC」入社。00年から強化部スカウト。07年に強化部長、14年からGM。同年から一般社団法人コンサドーレ北海道スポーツクラブの代表理事も兼任。22年1月、コンサドーレの代表取締役GMに専任となった。

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