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【パリ五輪】バレー男子の日本、初戦はドイツに大接戦で敗れる…フルセット激闘の末に痛い星落とす

スポーツ報知 2024年7月27日 18時23分

◆パリ五輪 第2日 ▽バレーボール男子1次リーグ 日本2―3ドイツ(27日・パリ南アリーナ)

 C組初戦が行われ、世界ランク2位の日本は、同11位の難敵ドイツにフルセットで敗れ、黒星スタートとなった。第5セットは12―15と接戦を落とした。

 日本は第1セットを落とす苦しい立ち上がりだった。2―1から8連続で失点するなど、ドイツの勢いに押され気味。身長2メートルのグロゼルに何度もスパイクを決められるなど後手に回った。日本はタイムアウトを2回取って修正をはかり西田有志を中心に反撃を試みたが、挽回できなかった。

 続く第2セットで窮地から流れを取り戻した。9―12から西田のスパイク、高橋藍のブロックに続き、西田、石川祐希の4連続ポイントで一時逆転した。その後は相手の3連続ポイントで再び逆転を許したが、長身200センチの相手エース・グロゼルに連続ミスがあるなど、一進一退の攻防が続いた。最後は高橋、石川の連続得点で制した。

 勢いと取り戻した日本は第3セットも一気に奪った。1―1から石川がポイントを奪って2―1とリードを奪うと、高橋のスパイクも決まって3連続ポイントを奪い、第1セットでの硬さも取れた様子で選手達の表情も和らいできた。13―10でラリーから石川のスパイクが決まって14―10と優位に。その後はお互いがポイントを奪い合う展開となったが、日本は主導権を渡さず、セットカウントを2―1と逆転した。

 だが第4セットはドイツにカーリッツェクのスパイクなど連続得点を許し、11―13とリードされる展開。同点に追い付いた後も相手にサービスエースを2本連続で決められ、劣勢が続いた。16―19から相手エース・グロゼルのスパイクを山内晶大がブロック、石川祐希がサービスエースで得点と好転。21―21と追い付いた後は一進一退の攻防が続いたが、最後は28―30で落とし、最終セットに突入した。

 第5セットは1―2からブレーメのスパイクが高橋藍の顔面に直撃するアクシデント。相手の2連続ブロックで3―7とリードを許し、長身210センチのクリックのスパイク得点などで劣勢を強いられた。西田有志らの得点などで7―8とし、その後も石川祐希の得点で10―11と追い上げる展開。それでも、最後はカーリッツェクに得点を決められ、12―15でフルセットの末に敗れた。

 日本、昨秋の五輪予選で08年北京大会以来、16年ぶりに自力での出場権をつかんだ。五輪前の国際大会ネーションズリーグ(NL)では、初の銀メダルを獲得。日本とパリの7時間の時差調整も兼ねて、五輪直前はポーランドで合宿。20日(日本時間21日)には、世界ランク1位の同国と五輪前最後の実戦となる強化試合を行い、3―2で撃破。主将の石川は「五輪前にポーランドと試合ができたこと、勝ち切れたことは良かった」と語っていた。

 まずは1次L突破へ、初戦のドイツ戦の「1勝」を重要視してきた。「高校、大学生の時以来」と石川が話すように国際大会では珍しい午前9時開始の朝一番の初戦。日程が決定後、慣れない時間帯でコンディション調整が難しい中、日本で一度、ポーランド合宿でもチームとして「早寝、早起き」に取り組み、朝6時の散歩などを取り入れてきた。高橋藍は「夜に寝るタイミング、朝に起きるのは、スムーズになってきた」と、取り組みに手応えを示してきた。

 だが、五輪本番では初戦で黒星。1972年ミュンヘン大会以来、52年ぶりとなる「五輪金メダル獲得」へ、厳しいスタートとなった。1次リーグは、31日午後1時(日本時間同午後8時)からアルゼンチン、3戦目は2日午後9時(同3日午前4時)から米国と対戦する。日本で8季目のフィリップ・ブラン監督は「歴史を築く。メダルを取ることに集中」と決意してきた。52年ぶりの快挙へ、ブランジャパンが立て直しを図る。

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