Infoseek 楽天

【パリ五輪】高橋藍「日本の質の高いバレー出せる」初戦ドイツに逆転負けも前向き 次戦31日アルゼンチン戦

スポーツ報知 2024年7月28日 7時0分

◆パリ五輪 第2日 ▽バレーボール男子1次リーグ 日本2―3ドイツ(27日・パリ南アリーナ)

 開会式翌日に開幕ゲームとして27日、1次リーグ(L)初戦が行われ、世界ランク2位の日本は、同11位のドイツにフルセットで敗れ、黒星スタートとなった。“2枚看板”の石川祐希(28)=ペルージャ=と高橋藍(らん、22)=サントリー大阪=は、本来の精度を発揮できなかった。52年ぶりの金メダル獲得を目標に掲げるチームはミスのないちみつな戦い方を見直し、第2戦は日本時間31日午後8時に同8位のアルゼンチンと戦う。

 ドイツに押し切られた。2―2で臨んだ最終セット(S)のマッチポイントでフェイントで落とされ、観衆9897人の歓声と悲鳴が入り交じった。52年ぶりの金メダルへカギとしていた初戦で手痛い敗戦。主将の石川は「五輪を意識し過ぎたか。絶対に取り切らないと、という気持ちが少し欠けていた。隙を見せてしまった」と自らに怒りを向けた。藍も「独特の雰囲気。簡単に1点は取れない難しさがあり、それは五輪の難しさ」と悔しがった。

 過去最高の世界ランク2位で挑んだ夢舞台。ドイツ人記者(4、5人)の10倍以上の日本メディアが駆けつけ、大きな注目を集めた。だが、挑戦者で戦ってきた日本の姿がなかった。第1Sから8連続失点などでつまずいた。攻守で精彩を欠いた藍は一度ベンチに下げられ、「調子を上げられず、チームにリズムをつくれなかった」。スパイクがブロックされた後に追う者がおらず、ボールは簡単にコートに落ちた。顔を覆う場面が増えた。

 相手エースのグロゼルのサーブにも苦戦した。石川も声を発したが、コート内で解決策が見つからない。ちみつな攻防で勝ってきた日本としては、痛恨の滑り出しになった。

 左足首負傷から約1か月ぶりの公式戦復帰となった藍は、徐々に調子を取り戻した。セットカウント2―1とリードで迎えた第4Sの24―25。こん身のバックアタックを決め、「ブラボー!」とこの日一番の雄たけび。石川がチーム最多22得点、藍も15得点と流れを取り戻したように見えたが、28―28で石川の後衛からの攻撃が2本連続で決められず、このセットを落とした。石川は「試合中に少し勝てる雰囲気が出過ぎた。余裕をちょっと出し過ぎた」と意識していない間に挑戦者の肩書が外れていた。

 まだ金メダルへの道が閉ざされたわけではない。ばん回の機会はある。昨秋の五輪予選も初戦のフィンランドに辛勝、続くエジプトに敗れたが、そこから息を吹き返し、16年ぶりに自力での出場権をつかんだ。敗戦後、石川はすぐに全員を集め「次! 切り替えよう!」と伝えた。「これで終わるようなメンバーではない」と石川が言えば、藍も「フィーリングは悪くない。日本の質の高いバレーを出せる」と言い切った。31日のアルゼンチン戦。勝利で金メダルへの望みをつなぐ。(宮下 京香)

◆藍に聞く

 ―会場の雰囲気は。

 「簡単に1点は取れない難しさがあった。それは五輪の難しさ。独特の雰囲気」

 ―第1セット途中でベンチに下げられた後は。

 「リズムをつくれなかった悔しさがあった。ベンチにいる時に、2セット目はどう入っていくか、どうテンションを上げていくか、想定していた。自分らしいプレーをしようと切り替えた」

 ―ドイツと戦った印象は。

 「しんどい試合になることは想定していた。自分たちがやるべきことだったが、ドイツのブロックやサーブに、非常に苦しめられた」

 ―第4セットを失った。

 「一番キーになったセット。終盤に点数を取りに急いでいる場面があった。五輪では冷静になることも必要」

 ◆五輪1次L突破条件 各組で総当たり戦を実施。各組上位2チームは突破。さらに各組3位のうち勝敗や勝ち点、セット数などで競う総合成績で上位2チームを加えた計8チームが決勝トーナメント(T)に進む。進出した各組1、2、3位グループ内で総合成績により、決勝T1回戦となる準々決勝の組み合わせが決まる。1位突破組の成績最上位は、3位突破の2位と対戦。勝ち点は3―0と3―1が3点、3―2が2点、2―3は1点、0―3と1―3は0点。

この記事の関連ニュース