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【パリ五輪】永山竜樹が銅メダル「正直きつかったですけど。手ぶらで帰るわけにはいかないなと」不可解判定負けの失意からはい上がる

スポーツ報知 2024年7月28日 1時10分

◆パリ五輪 第2日 ▽柔道(27日・シャンドマルス・アリーナ)

 【パリ(27日)=林直史】柔道男子60キロ級の3位決定戦で、永山竜樹(28)=SBC湘南美容クリニック=がサリフ・ユルドゥズ(トルコ)を破り銅メダルを獲得した。不可解判定による準々決勝での黒星からはい上がり、表彰台に上がった。「負けてから切り替えるのが大変だったんですけど、せっかく親とか、たくさんの方々が応援に来てくれていたので、手ぶらで帰るわけにはいかないなと思って、銅メダルを取りに行きました。目標は金メダルだったので正直きつかったが、最低でも銅メダルを取ろうと思って気力だけで戦いました」と振り返った。

 あまりにも後味の悪い形で、永山の金メダルへの夢が絶たれた。23年世界選手権優勝のフランシスコ・ガリゴス(スペイン)との準々決勝。相手の片手絞めを30秒ほど懸命に耐え、審判から「待て」がかかった。当然のように力を緩めたが、その後も相手が絞め続けたことで意識を失った。これに主審はまさかの一本の宣告を下した。

 永山は判定に納得できず、約5分間、試合場を離れず何度も映像検証を求めた。観衆から激しいブーイングを浴びながら食い下がったが、主審は先に畳を下りていた。抗議は受け入れられず、無念の一礼。肩を落とし、拍手とブーイングが入り交じって騒然とする会場から引き揚げた。

 21年東京五輪は高藤直寿(31)=パーク24=と激しく代表を争ったが、世界ランキング1位ながら選考に敗れた。パリ五輪代表争いでは国内外で早期敗退が続き、1敗も許されなかった崖っ縁から国際大会を3連勝。昨年12月のグランドスラム(GS)東京大会で直接対決を制した。「高藤先輩に勝って代表にならなきゃ意味がない」。大学時代からしのぎを削った東京五輪王者の壁を乗り越え、初代表を決めた。

 またも勝利の女神は振り向いてくれなかった。敗者復活戦と3位決定戦は制した。失意の準々決勝から切り替え、つかんだメダルを胸を張って持ち帰る。

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