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【パリ五輪】「メダル獲得の可能性は高い」オーバーエージなしでも決勝T進出 北澤豪氏は落ち着きと冷静さを評価

スポーツ報知 2024年7月28日 8時0分

◆パリ五輪サッカー男子 ▽1次リーグ第2戦 日本1―0マリ(27日、ボルドー競技場)

 サッカー男子のU―23日本代表が同マリ代表を1―0で破った。5―0で大勝した初戦のパラグアイ戦(24日)に続く連勝で1次リーグ突破を決めた。0―0で迎えた後半37分、右サイドを突破したFW細谷真大のクロスをFW佐藤恵允がシュート。相手GKがはじいたこぼれ球をMF山本理仁が押し込んだ。守備陣はGK小久保玲央ブライアンを中心に奮闘。後半終了間際にPKを与えたが、シュートはゴール左に外れ、2戦連続で完封勝利。日本は2連勝で勝ち点を6に伸ばし、D組2位以内が確定。2大会連続の決勝トーナメント進出を決めた。第3戦は30日(日本時間31日)にイスラエルと対戦する。

 元日本代表MF北澤豪氏(55)は「オーバーエージはいないのにベテランのような落ち着きと冷静さがある。メダル獲得の可能性は高まっている」と高く評価した。

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 マリは強かった。そのマリに対し、日本は自信を持って戦い、勝った。

 速くて、うまいマリの攻撃に対し、日本の守備は誰がボールに行くのか、常にはっきりしており、ズレがなかった。カウンターを仕掛けられても時間をかけさせ、危ないシーンをつくられることは少なかった。

 攻撃では「入り口」と「出口」が徹底されていた。入り口(守備から攻撃の切り替え)が速く、出口(フィニッシュ)では人数をかけていた。

 決勝点は見事だった。

 FW細谷がマリを相手にも力負けせずにタテに突破し、速いクロスを入れた。MF三戸、FW佐藤、MF山本と3枚が反応しており、マリとしては守備を絞りきれなかった。

 オーバーエージ枠を活用していないが、このチームにはベテランぞろいのような冷静さがある。多くの選手がすでに海外クラブで経験を積み、Jクラブ勢も各チームで主力として活躍しているからだろう。

 攻守でチームを率いているのは、やはり、主将のMF藤田だ。マリ戦では研究されて藤田にボールを入れさせないようにされたが、その中でもゲームを完璧にコントロールしていた。

 プレーが止まっている時間でもチームとして機能しているシーンがあった。終盤にハンドでPKを取られた時、FW藤尾らがボールの前に立ち、すぐにPKが始まらないようにしていた。その間にベンチからマリのキッカーの情報がGK小久保に伝わり、小久保はその情報通りに右に飛んで枠を外させた。選手とベンチが一体となって戦っていることを象徴していた。

 連勝して決勝トーナメント進出が決定し、さらに1位通過もほぼ確定した。第3戦のイスラエル戦は、これまでの2試合で出場時間が長い選手やイエローカードをもらっている選手を休ませることができる。絶好の状況で決勝トーナメントに臨める。パラグアイ戦で相手のファウルで負傷したMF平河を除けば、ほとんどの選手のコンディションは良さそうだ。

 攻守にわたってチームは成長している。決して、はしゃいだ言い方ではなく、メダル獲得の可能性は高まっている。(スポーツ報知評論家・北澤豪)

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