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【高校野球】掛川西が26年ぶり優勝に王手…山下陸人主将が決勝二塁打で加藤学園初の決勝進出を阻止

スポーツ報知 2024年7月28日 7時54分

◆全国高校野球選手権静岡大会 ▽準決勝 加藤学園3-6掛川西(27日・草薙)

 準決勝が行われ、掛川西は春王者の加藤学園を6―3で下し、10年ぶりの決勝進出を決めた。29日の決勝(草薙、午前10時開始)は春夏を通じて初の甲子園を狙う聖隷クリストファーと、1998年以来26年ぶり6度目の優勝を狙う掛川西の対戦となった。

 仲間の思いに掛川西の主将が応えた。同点の5回1死二塁、5番の山下陸人遊撃手が直球を捉えて中越えに適時二塁打を放ち、勝ち越した。4番・堀口泰徳捕手(3年)が犠打を決めて広げたチャンスで結果を残し「自分で勝負をかけてくれた。仲間のために打つ」。春の県大会3回戦で敗れた加藤学園に雪辱も果たし「うれしい」と喜びを爆発させた。

 山下は3年生で唯一、1年夏からベンチ入りと経験を積んできた。だが、この夏は初戦から3試合で1安打と苦しんだ。転機となったのは“指揮官の力投”だった。13―0で大勝した駿河総合との準々決勝(25日)の試合前日。大石卓哉監督(44)が同校就任後初めて打撃投手を務めた。部員は64人の大所帯だが「少しでも選手の力になりたい」とマウンドの5、6メートル前から腕を振るった。

 すると主将は準々決勝では3打数3安打と大活躍。準決勝でも2安打2打点と躍動した。「仲間に迷惑をかけていたのでよかった」と主将。指揮官は「陸人は打ちたい気持ちが先走っていた。自分の球を打たせた方が、タイミングが合うんじゃないか」と登板した理由を明かした。「選手に速いと言ってもらったことなく、カンカン打たれる」。練習で快音を連発させ、復調へつなげた。

 「日頃の練習のうっぷんを晴らすかのように選手は向かってきていた」と苦笑いした指揮官だが、選手は2戦連続2ケタ安打で応えた。支えてくれた監督はもちろん、全ての人の思いに結果で応えたい。26年ぶりの優勝が懸かる決勝へ主将は「まず自分たちの泥くさい野球をやり抜きたい」と力を込めた。(伊藤 明日香)

 ☆掛川西・増井俊介投手(2回2死一、二塁から2番手で登板、5回1/3を無失点投球)「いつでも行ける準備はしていた。守りを信じて打たせて取ろうと思った」

 〇…加藤学園は初の決勝進出を逃した。計12安打を放ち、3盗塁と得意の機動力も絡めて攻めたものの、掛西の投手陣に要所を締められて12残塁。3点を追う9回も2死満塁とチャンスをつくったが、無得点に終わった。「あと一本が出なかった。悔しい」と小室太陽主将(3年)。先発したエース小沢亨彦(3年)も「テンポ良く投げられず、守備のリズムを悪くしてしまった」と5四死球を与えたことを悔やんでいた。

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