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【パリ五輪】角田夏実 鼻骨骨折にボールペン使って応急処置 母「電話がかかってくると、ドキっとするんです」

スポーツ報知 2024年7月28日 11時0分

◆パリ五輪 第2日 ▽柔道(27日・シャン・ド・マルス・アリーナ)

 【パリ(27日)=林直史】柔道女子48キロ級で角田夏実(31)=SBC湘南美容クリニック=が日本選手団第1号の金メダルに輝いた。世界選手権3連覇の女王は初戦から5試合を制し、同級では2004年アテネ五輪の谷亮子以来の金メダルを獲得。角田の父・佳之さん(64)、母・五都子さん(60)も観客席で晴れ姿を見守った。

 経験者だった父の影響で小学2年から始まった競技生活は、アクシデントが絶えなかった。母は出場する国際大会等を自宅でネット中継で応援する際、けがなどがないように「いつも2人でパソコンの前に正座して見てるんです」と明かした。

 初めて出場した2017年世界選手権は大会の3週間前に足の甲を骨折した。接骨院を営む佳之さんが体重が足にかからないようにと、特殊なギプスを製作。五都子さんは治癒力を高める大きな酸素カプセルのある病院を、必死に探して予約した。

 同じ年には海外合宿中に鼻骨を骨折し、母の携帯が鳴った。横にいた父が「そのへんに箸や棒はないか。鼻が曲がっちゃうから、ガーゼを巻いて突っ込んで」と指示すると、「ボールペンならある」と返ってきた。両親は驚いたが、本人はためらわず鼻にペンを突っ込み、応急処置をしたことは今でも語り草だ。

 これまで、大小さまざまなけがに見舞われてきた。それだけに母は「娘との連絡はだいたいメールですけど、何かあった時は電話。だから電話がかかってくると、ドキっとするんです。何があった?って」と笑う。

 パリ五輪も数か月前に両膝を痛め、満足いく稽古が積めなかった。それでも、金メダルをつかんだ。母は「アクシデントがあると、それに集中する。他の余計なことを考えなくなるんじゃないかな」と分析。逆境に強い角田が、大舞台でも持ち味を発揮した。(林 直史)

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